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『三度目の殺人』是枝裕和 監督

是枝裕和 監督の『三度目の殺人』を見ました。

ホームドラマが多い是枝監督が法廷ものを選んだのを「果たして人は人を裁けるのか」と言う思いを追求したと言います。

そのために、裁判を傍聴し、1年以上にわたり弁護士への取材をしたあと、弁護側、検察側、裁判官、犯人に分かれて模擬裁判を実施し、ここで出てきたリアルな反応や言動を脚本に落とし込んでいったと言います。

そのような現状を見ながら、それに対する疑問をいつもの作品のように、重い問いを私たちに投げかけてくる作品になっています。

結末は見た人が考えてほしいという姿勢に私たちは深い淵を覗かざるを得なくなります。

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『三度目の殺人』のあらすじと感想

『三度目の殺人』のあらすじ

福山雅治演じる重盛は、「真実」よりも判決の勝敗にこだわる弁護士です。依頼人の要求が減刑であれば、事件の真相は追求せずに減刑することだけを考え証拠集めや調査を行います。「真実は誰もわからないのだから、メリットのある結果を出す」というのが彼のモットーのようです。

そんな重森が、ある殺人事件の担当をすることになります。前科のある役所広司演ずる三隅という男が、解雇された工場の社長を容疑で起訴されている事件です。

二度目の殺人で、三隅は容疑を認めているいるため死刑は確実とされていましたが、重森はなんとか無期懲役に減刑に出来ないかと調べ始めます。

はじめは、「金銭目的で社長を襲った」と供述していましたが、その後、週刊誌に「社長の妻に頼まれて保険金目的で殺した」と独占告白します。席巻した重森に「メールも残っているといい、犯行の前報酬思わせるような50万円の振り込み通帳も提示してきました。

妻の斉藤由貴演じる美津江との裏をとるために、重森は三隅のアパートを訪ねますが、大家に話を聞いたところ、アパートには足の悪い女の子が頻繁に訪れていたと言います。足の悪い女の子は被害者の娘で広瀬すずが演じる咲恵でした。

さらに三隅は捕まるのを予想していたかのように、身の回りを整理し、家賃も払っていたとのことでした。

ただの強盗殺人だと思われていた事件の謎は深まっていきます。

重森は三隅をよく知るために、彼の前科である一度目の殺人について調べます。そして30年前の裁判の裁判長を務めたのは彼の父だと言うことがわかります。そして刑期をおえて出てきた三隅は父にハガキ送っていました。

そこには、「4歳の娘と雪遊びをしたことを思いだしている」と書かれていました。

しかし、当時裁判長だった父は三隅のことを「獣みたいな人間」と言い表します。そして当時逮捕した検事は「感情のない空っぽの器」みたいだと言っているのです。

裁判が始まりますが、社長の妻の美津江は仕事のことは夫に任せているのでわからず、メールは夫が妻の携帯を使って勝手に送信したというのです。

二判後、咲恵が重森の事務所を訪ねてきて、彼女は父から性的暴行を受けていたと告白し、それを助けてくれたのが三隅だったと言うのです。

咲恵は殺人現場となった河原で三隅に会い、その日が咲恵の誕生日だったために、雪でケーキを作って祝った二人の写真が写っていました。咲恵はだんだん心を開いて父親から受けている性的暴行を打ち明け、心身ともに支え合う関係だったと認めます。

その証言が三隅の助けになるなら法廷で証言したいと申し出ます。

それを三隅に話すと、三隅はすべて否定します。しかしその後殺人はやっていないと言い、信じられるかと重森に迫ります。

私は、この場面に二人の対決を見て、鬼気迫るものを感じました。

重森は咲恵に何も話さないようにと言い、死刑の判決が下されます。

この映画は「人が人を裁けるか」という重いテーマを私たちに突きつけたのだろうと思います。

『三度目の殺人』の感想

この映画を見終わったとき、とても思いものを監督に投げかけられたと感じました。

「人が人を裁くことが出来るのか」という重い命題を見事に描いた是枝監督の目線は、今までに見た他の監督のどの映画とも違ったものでした。

犯人はいるのでしょうが、それを裁いて誰かを罪にするという、裁判制度にもメスを入れたのだと思います。

映画を見終えた時点では、とてもモヤモヤ感が残りましたが、すぐに忘れてしまうようなモヤモヤではなく、考えることを止めることを許してくれないような思いをいつまでも抱くことになりました。

特に、役所広司演じる三隅が、無実だと訴える場面は彼が、一度目の事件で、「感情のない空っぽの器」と刑事に言われたような面持ちはみじんもなく、真剣そのものだったことに衝撃を覚えました。

重盛が、なぜ30年前自分に判決を下した裁判長にはがきを送ったのかと三隅に聞いた時「人の命を自由にできる」と言ったように人間は自分の意思とは違ったところで選別され続けているのかもしれません。

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