『火の山ー山猿記』は富士山のふもとの甲府で、東京帝大を卒業して、山の草や木、富士山の研究に心を奪われていた父有森源一郎の8番目の子供として生まれ、アメリカにわたって物理学の研究をしている勇太郎が、3番目の姉笛子の次女である由紀子に頼まて書くことになった、有森家のメモワールが物語の中心になっています。 由紀子と牧子あてのとても長いメモワールのコピーをその源一郎の日本語ができない娘牧子に送られたものを、牧子の夫が死んだ後に見つけ、日本語を勉強している牧子の息子勇平が読むという複雑な設定になっています。 NHK ...