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本・読書感想・映画

私が本を読んで感じたことを書き留めておこうと思いました。

読んだ本の内容というよりは、私自身がその本を読んで思いを巡らしたかを書く方が多いと思いますし、どのようにしてその本と出会ったかなども書いていきます。

その時の心の持ちようによって、読み取り方も変わるのではないかと思います。

また同じ本を読んでも、今置かれた立場、年齢など様々な条件によって感じることは違うと思うので、同じ本を読んでもそれぞれに読後感は変わることとと思います。

若い時に読んで理解ができなかった本が、数年後に読んで感動したこともありますし、数十年過ぎてかなり深く理解できたという経験もあります。

何度も読んだ本、かなり前に発売されていても初めて読んだ本、発売間もない時期に読んだものなど様々な本の感想を書いています。

また、気が向いたら映画のことも書いていきます。

本・読書感想・映画

2021/4/17

『JR上野駅公園口』柳美里著

2014年3月に発行され、全米図書賞を受賞した小説です。 柳美里の小説は2000年に発売された『命』以来ですので、『JR上野駅公園口』を読んで、柳美里という作家の成長を感じ、とても感動しました。 小説以外では『国家への道順』を読み、在日韓国人としていじめにあいながらも必死に生きている「柳美里」が国家について深く考えていることを知りました。 しかし、『JR上野駅公園口』は、それらの本と全く別の書き方をしていて、小説家としての大きな成長を感じました。 『JR上野駅公園口』のあらすじと感想 主人公は平成平成天皇 ...

本・読書感想・映画

2021/4/13

『地図から消される街』青木美希著-3.11後の「言ってはいけない真実」

著者は北海タイムズ、北海道新聞に勤務後朝日新聞に入社、3.11では翌日から現場で取材、2011年9月には特別報道部に。原発事故懸賞企画「プロメテウスの翼」などに参加し、2013年、特別報道部の『手抜き除染」報道を手がけ、取材班は新聞協会賞を受賞したと言うことです。 個々に書かれているような、現実は新聞やテレビなどの報道でも見聞きしていたことであり、そのたびに愁いていたのですが、このように1冊の本として、取材した現実を読むことでより大きな原発事故後の問題点を知ることになり、政府のずさんな対応に憤りを感じざる ...

本・読書感想・映画

2021/4/11

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ著

著者40歳の時の作品でのようで、今年の本屋大賞の候補に選ばれているようです。 読んだ方の感想から、一度読んで見ようと思い購入しました。 現在問題になっている子供の虐待を扱った小説で、山田詠美氏の『罪人』と重ねて読んでしまうところがありましたが、山田詠美が実際に起きた子供置き去り事件を扱ったいてそのむごさがひしひしと感じられたのに対して、その感受性に少し甘さを感じてしまったのは否めませんでした。 しかし、誰にも聞こえない52ヘルツの声で鳴くクジラの声には孤独を深く感じさせられました。 『52ヘルツのクジラた ...

本・読書感想・映画

2021/3/29

『生きるための論語』安富歩著

論語は東アジア最重要の古典で、中学か高校でほんの少し学ぶことになっています。 紀元前に生きた、孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子達が記録した書物ですが、秦の始皇帝の儒教弾圧で、『論語』本文は失われてしまったようです。 しかし、生き残った儒者が口承で内容を伝え、これが現在の『論語』の原型になったということで、長い年月の間研究が行われてきたので、様々な解釈があるようです。 生きるための論語を読む 安富歩氏は論語を生きるためにという副題をつけています。 私は漢文を正確に読むことも理解することも出来ませんが、 ...

本・読書感想・映画

2021/3/29

原発危機と東大話法ー安富歩著

東京大学教授安富歩氏の著書です。2.11の東日本大震災による福島原発事故後について、ブログに書きためていたものを元にして出版することになったようです。 安富歩氏は経済学者ですが、東大教授でありながら物事を決めつけるというよりは、深く掘り下げながらも柔らかな思考を持って文献に当たりながら納得できる考察を読者に与えてくれます。 原発の恐ろしさを知っている著者は、東京電力や日本政府の対応、国民があまりにも危機感を抱いていないことに驚いたと書いています。 私も戦争の時に原子爆弾を落とされた広島、長崎の惨事は史料館 ...

本・読書感想・映画

2021/3/3

『「超」独学法』野口悠紀雄著ー「学び直し」がとんでもなく「面白く」なる

著者の野口悠紀男さんは1940年生まれ、著者の本は初めて読みましたが、この本の中で書いているようにかなりの分野を独学で学んだと言うことに驚きを感じると共に、独学の楽しさを感じることが出来ました。 東京大学工学部を卒業、大蔵省に入省、エール大学で経済学博士号を取得、一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード客員大学、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論と書いてあります。 著書は多数あり、多くの賞をを受賞しています。 この本の中には様々な独学法 ...

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2021/2/12

『日本の男を食い尽くすタガメ女の正体』ー深尾葉子著

著者の深尾葉子さんは、大阪大学大学院 経済学研究科准教授です。安富歩 東大教授との共著もあり、興味を抱いたので読んでみたいと思って購入し、読了しました。 1963年生まれの著者が、2013年に発行しているので、専業主婦が多かった、その頃の年代の社会現象なのでしょう。 そして、今の社会の覇気のなさを見るにつけ、なぜこのような政治家や官僚ばかりになってしまったのか不思議に思っていましたが、著者はこれらの現状をタガメ女とカエル男に当てはめて書いています。 この本は表面的な読み方をしたら、とても面白くない本に見え ...

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2021/3/28

『生きる技法』安富歩著ー自立とは依存すること

2019年の参議院議員選挙の時に、「子どもを守るということを、政治の原則にしよう」と東大教授である安富歩氏がれいわ新選組から立候補し、選挙運動をしているのをネットなどで何度か目にしたことがあります。 それまでも名前や写真は見たことがありますが、その時、れいわ新選組について書いている文章を読んで、(れいわ新選組には批判的な私だったのですが)私の心を捉える文章に興味をいだき、いつか著書を読んでみたいと思っていました。 その思いから読んだのが『生きる技法』です。私の元に届いた帯には「助けてください」と言えたとき ...

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2021/1/2

『けものたちは故郷をめざす』安部公房著ー岩波文庫 

満州からの引き揚げ者である安部公房の初期作品で、「安部公房全集」第六巻(新潮社)1998年を底本にして、現在仮名遣い、読みにくい漢字にはふりがなをつけて2020年3月13日に岩波書店より発行された文庫本なのでかなり読みやすくなっています。 ちなみに、初版は1951年に大日本雄弁会講談社から刊行されています。 従ってこの時代に書いた小説としてはとても読みやすく、戦後の満州という広大な未知の地でありながら、その情景が読むものの心に息づき、引き込まれるように読んでしました。 冬の氷点下数十度という世界は経験した ...

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2020/12/29

『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹著ー鼠4部作の完結編

この小説は、1988年10月発売で、村上春樹の6冊目の長編小説に当たります。 私は、村上春樹氏の小説との出会いが遅く、後期作品から読み始めているので、初期長編の3部作と言われる小説は後期の作品から読みましたが、どこかしらで前作からのつながりを持つ作品であることを知り、初期作品から読めばよかったと思いました。 その点、『ダンス・ダンス・ダンス』はそれまでの5冊の長編小説を読んだ後なので、最初から物語の世界に入っていくことが出来ました。 その間に『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、そして全世界的大 ...

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2020/12/16

『モモ』ミヒャエル・エンデ作 大島かおり訳

作者のミヒャエル・エンデはドイツの児童文学作家で、『ジム・ボタンの機関車大旅行』でドイツ文学賞を得て世界各国で広く知られる作家になったようですが、私は1973年に出版された『モモ』という作品を今頃初めて読みました。 岩波少年文庫2020年7月15日31刷発行になっていますから50年近くも出版され続けていてロングセラーになっているようです。 訳は新しくなっているところも多いようなので読んでいて、それほど年月が過ぎた本だとは思えず、まさに今現在の私たちの生き方を書いているようで、考えさせられる本であると共に、 ...

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2020/12/9

『誇りを持って戦争から逃げろ!』中山治著

著者の中山治氏は1947年生まれですから、戦後の混乱期から戦後の高度成長期の団塊の世代を生きてきた心理学者で、日本人の国民性、日本文化論に基づいた日本の社会変革についての研究を重ねていると言うことです。 『誇りを持って戦争から逃げろ!』は2006年に発売されたので、今から15年前になりますが、憲法改正論は衰えず、政治は腐敗を極め、コロナが世界を襲い、とても生きにくい時代になっています。 いつ何が起こるか分からないような現在を生きている私たちに、憲法改正や米中の問題などがあり、安穏と生きていけない現状は、こ ...

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2020/11/22

『それでも日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子著ー史実を下にした素晴らしい歴史書

加藤陽子氏は東京大学大学院の教授です。3年毎に約半数105名が任命替えされることになっている2020年の学術会議任命拒否された6名の中の一人になっています。 学出会議については、総理に任命権はありますが、形式的な任命であり、今まで任命拒否をされた学者はいなかったことから大きな問題となっています。 その中の加藤陽子氏の著作である、『それでも日本人は「戦争」を選んだ』に興味を抱き、読んでみたいと思いました。2009年発行になているので20年前に書かれ、小林秀雄賞を受賞しています。 スポンサーリンク 『それでも ...

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2020/11/8

『火車』宮部みゆき著ー多重債務を書いて現在の闇の部分をえぐり取る

都知事選に出馬した宇都宮健児氏が多重債務に陥った人を助けた弁護士のモデルとして書かれているということを知り、購入していた宮部みゆき著『火車』を読了しました。 『火車』は第6回山本周五郎賞受賞を受賞したミステリー小説です。また2008年に賞創設から20年間のベスト・オブ・ベスト1位に輝いています。 サラ金社会問題として大きくなった昭和50年後半から、宇都宮健児がモデルの溝口悟郎弁護士が自己破産を扱って多重債務者を助けることに力を注いでいました。 スポンサーリンク 『火車』のあらすじと感想 私はミステリー小説 ...

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2020/10/30

『経済学は悲しみを分かち合うために』神野直彦著ー人間を幸福にする経済をめざして

財政学(社会財政学)の第一人者である神野直彦氏の自伝であるが、東京大学から財政学を学んだ著者の語る自伝は財政学が多くの分野を占めながらも、生い立ちから生き方にまで及び、愛情に恵まれて研究を続けた様子がうかがえます。 そして、財政学と共に生きた著者からは、多くの財政経済学を学ぶことができ、素人の私でも生きるために必要な経済学の大切さを感じることができるのです。 それは、専門書とは違った書き方で財政学を説いていることばかりでなく、文章がとても読みやすいことにもあるようです。 1946年生まれの著者は大学のゼミ ...

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2020/10/16

『博士の愛した数式』小川洋子著ー博士の記憶は80分しか持たない

著者は1991年『妊娠カレンダー』で芥川賞を受賞し、2004年『博士の愛した数式』は読売文学賞、本屋大賞を受賞、その他多くの小説があります。 2020年に『密やかな結晶』の英語訳(英訳タイトル『The memory police』)がブッカー国際賞の最終候補にノミネートされたが受賞には至らなかったようですが、多くの賞を受賞し、選考委員などもしているようですが、現代作家の本をあまり読んでいなかった私は、小川洋子氏の著作は『博士の愛した数式』が初めてです。 古典と言われた本を主に読んできて、現在活躍している小 ...

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2020/9/21

『欲望の経済を終わらせる』井出英策著ー経済の自由より人間の自由 !!

著者の井出英策氏は日本銀行金融研究所勤務を経て慶応大学経済学部教授の財政学者です。 私は読んでいませんが、『経済の時代の終焉』で大佛次郎論壇賞を受賞したということです。 世界を席巻した新自由主義からの脱却を訴えて、個人や社会に何がおきても、安心して暮せる財政改革を提言、人間らしい自由な生き方ができるような社会を私たちに示しています。 スポンサーリンク 『欲望の経済を終わらせる』のあらすじと感想 世界的なコロナ禍の中で、貧富の差がますます広がっています。バブル崩壊から30年を過ぎても経済が上向く気配もない日 ...

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2020/8/30

『それでもボクはやってない』映画 監督:周防正行ーあらすじと感想

2007年の映画なので、かなり古いですが、アマゾン・プライムで見ました。 この作品は、監督の周防正行が時間をかけ、地道な調査活動を踏まえて、「どうしても作りたかった」という、日本の刑事裁判、人質司法に疑問を投げかける作品でです。 2007年度の数々の賞を受賞した優れた作品で、今見ても古い映画という感じがなく、現実感がみなぎった作品で、多くの人に見ていただきたい映画だと思いました。 スポンサーリンク 『それでもボクはやってない』のあらすじと感想 主人公のモデルとなったのは、2005年、JR横浜線の電車内で女 ...

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