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その他の作家

本・読書感想・映画

2021/1/2

『けものたちは故郷をめざす』安部公房著ー岩波文庫 

満州からの引き揚げ者である安部公房の初期作品で、「安部公房全集」第六巻(新潮社)1998年を底本にして、現在仮名遣い、読みにくい漢字にはふりがなをつけて2020年3月13日に岩波書店より発行された文庫本なのでかなり読みやすくなっています。 ちなみに、初版は1951年に大日本雄弁会講談社から刊行されています。 従ってこの時代に書いた小説としてはとても読みやすく、戦後の満州という広大な未知の地でありながら、その情景が読むものの心に息づき、引き込まれるように読んでしました。 冬の氷点下数十度という世界は経験した ...

本・読書感想・映画

2020/12/16

『モモ』ミヒャエル・エンデ作 大島かおり訳

作者のミヒャエル・エンデはドイツの児童文学作家で、『ジム・ボタンの機関車大旅行』でドイツ文学賞を得て世界各国で広く知られる作家になったようですが、私は1973年に出版された『モモ』という作品を今頃初めて読みました。 岩波少年文庫2020年7月15日31刷発行になっていますから50年近くも出版され続けていてロングセラーになっているようです。 訳は新しくなっているところも多いようなので読んでいて、それほど年月が過ぎた本だとは思えず、まさに今現在の私たちの生き方を書いているようで、考えさせられる本であると共に、 ...

本・読書感想・映画

2020/12/11

『告白』湊かなえ著-2009年本屋大賞第一位(2010年映画化)

『告白』は著者湊かなえのミイステリー小説です。 アマゾン・プライムで最初に映画を見て、その後2008年発行の本を購入して読みました。映画化されたのは2010年なので、10年以上も前の小説であり映画です。 『告白』は湊かなえ氏のデビュー小説のようですが、私はあまりミステリー小説を読むことが少ないので名前はおぼろげながら知っていましたが、初めて読む作家の小説でした。 小説が映画化されるとかなり印象が異なりことが多いと今まで感じてきたことから、小説も読んでみたいと思いました。また、2009年の本屋大賞を受賞した ...

本・読書感想・映画

2019/2/23

『長い時間をかけた人間の経験』林京子著ー長崎被爆で被爆した魂の遍歴

1945年8月9日長崎で被爆した著者と同じ体験をした友人などのその後の心や体の異常を交えながら書いています。 長崎県立長崎高等女学校3年で、三菱兵器工場に学徒動員中に被爆しましたが、その当時は女学生はほとんどが学徒動員で兵器などをつくらされていたようです。 原爆体験をモチーフにした作品が多く、様々な賞を受賞しましたが、『長い時間をかけた人間の経験』は野間文学賞を受賞しています。 原爆を特化する姿勢があるとして、中上健次に「原爆ファシスト」と呼ばれたことがあるようですが、日本が犯した戦争時の事柄とは別に、唯 ...

本・読書感想・映画

2019/2/23

『八日目の蝉』角田光代著|連れ去られた赤ちゃんが成長して見た風景

角田光代氏の作品を読むのは初めてのような気がします。初めての本だと思いながら読んでいくと初めてではない本を読み返していることが多々あります。 この本も読み始めてなぜかいつか読んだような錯覚になっているので、どこかで解説を読んだか、作品を読んだのか思い出せませんが、初めて読んだとは思えないまま読み進みました。 知らないままに奥さんのいる人と恋愛関係になり、妊娠した希和子は相手に請われるままに中絶をするが、本当はその子を産まなかったことが悔やまれたのだろう。 不倫相手の赤ちゃんを見るだけのつもりで入ったその家 ...

本・読書感想・映画

2019/2/23

『真珠夫人』菊池寛著|柳原白蓮がモデルと言われる

菊池寛の「真珠夫人」は柳原白蓮がモデルになているということから是非読んでみたいと思って読み始めました。 柳原白蓮こと燁子は親子ほども年齢差のある九州の炭鉱王・伊藤伝右衛門のところに嫁ぎ、幸せとは言えないまでも社交界ににデビューして別府の別荘で社交にふけっていたころ、菊池寛も尋ねたようです。 燁子がモデルと言っても、真珠夫人は私が読んだ林真理子の「白蓮れんれん」の燁子とはかなり違っていますから、美しい燁子を見て稿を練って書かれたものなのでしょう。 実業家と収入のない華族という時代背景は当時の実情だったようで ...

本・読書感想・映画

2019/2/23

『白蓮れんれん』林真理子著|「心の花」の歌人柳原白蓮

私が柳原白蓮を知ったのは短歌を始めた数十年前で、その恋の歌の数々から白蓮事件を知ることになりました。 短歌を作り始めたばかりの私は、現代短歌の解説書のようなものを貪るように読み始めました。 そのような本の中には決まって「心の花の同人」であった柳原白蓮の歌が載っていました。 そのようなことから、今回読んだ「白蓮れんれん」のあらすじは大方知っていました。 その後の、NHKの朝の連ドラ「花子とアン」でも東洋英和女学校時代に、「赤毛のアン」の翻訳者で知られる村岡花子との友情が描かれているのを見て、さらに知識を深め ...

本・読書感想・映画

2019/2/23

芥川賞 『火花』ーお笑いの突込みから生き方を描く

例年ですと芥川賞、直木賞の受賞は期待感の中で発表を待つのですが、7月16日の午後には安保法案が強行採決され、新国立競技場巨額総工費問題のニュースが大きく取り上げられている中で、芥川賞2人、直木賞1人のうれしいニュースでした。 『火花』の作家又吉直樹さんは、日本のお笑いタレント、脚本家、小説家であり、ピースのボケ担当のようです。 基本的に読書が好きだと思っていた私は、パソコンを初めてから読書量が極端に減っていて、これからもっと読書をしようと思っていた時期の芥川、直木賞受賞でした。 芥川受賞作の「火花」と「ス ...