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萱屋根のたたずまい、南会津水引集落

暑さが少し和らいだ8月の半ば、茅屋根の懐かしい集落に出掛けました。

真夏の昼下がりは人はほとんど見えませんでしたが、集落の裏の畑で仕事をしている方と少し話をすることができました。

私には何の心配もないと思える南会津にも、原発事故の後は人が見えなくなっているといいます。

民宿はお客さんがいなくて、大変だと言っていました。

そんな懐かしくも寂しい集落を数時間歩いて写真を写してきました。

集落の蕎麦畑

集落の蕎麦畑

    

優し緑の葉の上に純白の花を一面に敷いて

清々しい空気の中に迎えてくれたソバ畑は野の空気醸し出していた

やせ地でも育つソバは山間にしっくりなじんでわがもの顔で咲きほこっていた

珍しい茅屋根の集落を私たちはこのんで訪れるようになっていた

ここには忘れられようとしている日本の原型が漂っているから

集落のひまわり

集落のひまわり

    

茅屋根の集落に真ん中に黄色の花を掲げて孤高に立っているヒマワリを見つけて

子供のころに見たヒマワリを思い出した

見世物のヒマワリ畑が休耕田に現れるようになってからどのくらい経つだろうか

ヒマワリは数本咲いているのが好きだ

数本のヒマワリは私に

生き方を教えてくれるように咲いていた

薪ストーブ用の軒下の薪

暮らしが匂う

いつ冬が来ても良いように家のまわりのは薪がつんであった

ヒマワリが咲く季節ななのに冬の暮らしも教えてくれるように薪はうずたかくどこの家にも積んであった

薪を燃やしたやにが茅について茅屋根は丈夫になるという

そこには知恵のある暮らしがあった

いつの間に便利さは人間の知恵を奪ったようだ

屋根を直す萱

茅のたば

    

茅屋根をふき替えるために

家の周りには茅の束が枯れて立てられていた

茅屋根の家の温かさと涼しさは過去のものになってしまうのだろう

今は茅ぶき屋根を葺ける職人は少なくなったという

この集落にも若者はほとんどいないという

ふくよかで不便で優しい暮らしもなくなってしまうのだろう

集落の北側から

集落の裏

    

一段と下がった集落の裏にはススキが群生していた

屋根を葺くために秋に刈り取って束ねて家の周りに立てかけるのだろう

ここには四季の生き方が息づいていた

ここからは屋根上の煙突も見えて冬の暮らしを物語っていた

ひと日の訪れでも四季が見える生き方があった

  

水引集落

福島県南会津町水引

時代をさかのぼったような曲がり屋のかやぶき屋根の家が数件まとまった集落はひっそりとしていました。

どこの家でも暖房に使う薪が軒下に高く積んであり、生活が垣間見られるようでした。

だんだんにここで生活する人もいなくなるという話を聞きながら、若い人がいなくなった山村の寂しさを考えていました。


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