著者の野口悠紀男さんは1940年生まれ、著者の本は初めて読みましたが、この本の中で書いているようにかなりの分野を独学で学んだと言うことに驚きを感じると共に、独学の楽しさを感じることが出来ました。
東京大学工学部を卒業、大蔵省に入省、エール大学で経済学博士号を取得、一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード客員大学、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論と書いてあります。
著書は多数あり、多くの賞をを受賞しています。
この本の中には様々な独学法と教室に行かないで独学した方が良いもの、なぜ独学が良いかなど丁寧に書いてあります。
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『「超」独学法』のあらすじと感想
ここには縦横無尽独学した著者が見いだした「独学」マニュアルが10章に渡って書かれています。
現在は進歩が激しく日々新しい生き方が必要になり、同じ考え方では生きにくくなる社会になっています。好むと好まざるに関わらず、自ずと独学は必要になっているのかもしれません。
第1章 独学の第一歩を踏み出そう
独学は、新しい時代の新しい勉強法だ。この方法を活用して能力を高めていく人が、これからの社会で活躍できるだろう」と書いています。
社会人だけでなく、大学や大学院で勉強している人、あるいは大学受験のために勉強している人も、独学の方法論を学び取っていただきたいと言います。
初等教育の教育内容は社会に入るための最低必要条件だが、社会人になってからの勉強は学ぶべき内容や条件が人によって大きく異なるために、独学の方が効率が良いと言います。
そして事情が変化したときに対処できる柔軟性があり、隙間時間を利用できるし、費用がかからないことという利点もあると書いています。
何かに興味を抱いたら、まず踏み出すことが大切で、こちら側からアクションをとることが大切です。そのアクションが独学だといいます。
第2章 独学者たちの物語
この章は独学で成功した世界的に有名な様々な人を紹介しています。
その中には、アメリカの大統領だった、リンカーン、飛行機の発明者ライト兄弟、アメリカの発明家トーマス・エジソンなど数多くの人がいます。
第3章 私も独学で勉強した
著者は東大工学部出身で、大学院で工学部の勉強をしながら経済学を独力で学び、公務員一種試験に合格、大蔵省に入省するのですから独学の達人です。
その後アメリカの大学院で、経済学を学んでいるので経済学は専門的に学び、経済学者となり、東大を始めいろいろな大学で経済学の教授になっているようです。
英語は専門分野での会話が出来るようになるには独学がよいといい、学問は日々進歩するので、経済学も学び続けなければならないと書きます。著者が専攻しているファイナンスも独力で学んだと言うことです。
独学の方が、学ぶべきものを選んで学べるのでより効率的だと書いています。現在はパソコンがあるので上手に検索すると効率的に学べるのでとても便利になっていますが、玉石混淆なのでそれを見分ける力は必要だと書いていますが、私もそのように感じながら検索を使っています。
第4章 独学は新しい働き方を可能にする
時代が急速に変わるので不断の勉強が必要であり、学力獲得から能力獲得へと変わっていかなければならない時に、学歴社会から抜け出すことが出来なかった日本は世界から遅れてしまったと言います。
今、世界は大きく変わろうとしています。ITなどの技術進歩により働き方が大きく変わろうとしているなか、独学で学ばなければ社会の変化について行けない時代になっています。
変化はチャンスになり、働き方が変わる中で学び続けることが出来れば、フリーランサーの時代になっても生きていくすべを見いだせるし、そうしなかったら、長い人生を生き抜くことは難しくなりそうです。
日本でも兼業を進める会社が増えてきていることからも、兼業や副業が出来るようになり、独学で学ぶことは、定年後もフリーランサーとして働けるようになります。
第5章 なぜ学校でなく独学の方がよいのか?
学校教育と社会人教育について書いてあるが、とりあえず基礎教育は勉強を強制する必要があり、生徒や学生との交流、情報交換、競争が重要であり、人間が社会生活を始める最初の場として必要であること、大学は人的交流の意味合いが大きいこと、医学や工学などの学部は学校で学ばなければならないが、語学や数学など多くが、独学の方が知りたいことを深く知ることが出来るので独学が向いていると書いています。
社会人のために学ぶ教室が多くあるが、ほとんどは独学で学んだ方が効率がよく、語学、パソコンなどは独学の方が自分が使うところを学べてより良いと書いています。
第6章 独学を継続させるために
継続が必要な4つのことを書いています。
- はっきりとした目的を持つ
- 強いインセンティブを持つ
- 勉強の楽しさを活用する
- 時間を確保する
すべて大切ですが、勉強の楽しさが得られなかったら長続きは難しいだろうと言い、継続させるために必要な事項が書かれています。
独学を続ける上での目的、出来ることと出来ないことの見極め、向上心、人に見せたいから努力するとというのも悪いことではないと言います。
そして好奇心こそが勉強の推進力だと書いているように好奇心で始めたことは、いつの間にか身についているのではないでしょうか。
私は平凡な人間ですが、ただ楽しく面白いと言うだけで始めたものがあることで、人生をとても有意義に過ごせています。
パソコンを使い始め、ただ興味だけでつくったホームページにアフィリエイト広告を載せたら少量ながら収入を得られるようになっていますし、その他の趣味で多くの友人を得ることも出来ています。
第7章 学ぶべきことをどのように探し出すか?
大切なことは問題そのものを探すことだと言います。いわゆる何を勉強したいのかを明確にすることで、「何をやればよいのか?」を見つけるのが独学のポイントだといいます。
基礎から一歩一歩ではなく、とりあえず高いところまで上ってみて、全体を把握すれば、そこの部分がどのように関連しているか分かるので、難しい論文でも全体像を把握すれば、個々の部分は理解しやすくなると書いています。
私は、本を読むのが好きですが、ある講座の先生が、本を選ぶ難しさを言っていたのを思い出しました。溢れている本の中から何を選ぶかはいつもアンテナを張っていないと難しそうです。
特にビジネス書というのは内容のないものが多いので、本を選ぶのは難しいと思います。
著者は図書館の本を、速読するときには、本を立てて上から見て黒くなっているところを選んで読むと大切なことが書いてあり、アメリカの大学院での課題に語学力の不足をそのようにして対処したとあかしています。
第8章 英語は独学でしかマスターできない
現在はどのような仕事をするにも英語は必要だが、英語はある程度学んだ後は独学でしかマスターできないと言います。
ビジネスで使う英語は独特なので、その分野の会話を独学で学んだ方が効率がよいし、専門用語が分かれば大方のことが理解できると言います。
子供がひとりで言葉を覚えるように独学で覚えるのが効率がよいと言うことです。
第9章 検索は独学の重要な道具
今はパソコンやスマホで検索が出来ていろいろと調べることが出来るので、百科事典を使うことがほとんどありません。
いろいろな調べ方をしていくことで「プッシュ」されてくる情報を受け取るだけでなく「プル」することの大切さを述べています。
私もパソコンを使うようになり20年を過ぎましたが毎日のように疑問に思う事柄を調べていますが、とても便利です。
ワードプレスを使って、アフィリエイトしているので、パソコンの進歩を身をもって感じています。
パソコンもバージョンアップされ、そのたびに新しいことにふれることが刺激になっています。
第10章 人工知能の時代に独学の必要性は高まる
AIの能力が急速に高まっています。
ビッグデータを活用することにより個人に合わせてアドバイスできるようになっているようですし、作曲も自然法則の発見もでき、ビジネスにも使われていると言うことです。
人間は子供の時から謎解きに挑むのが好きなので、AIの時代などでの謎解きそのものが楽しいことから挑み続けます。
そしてAIの時代においては、勉強は必要性がなくなるのではなく、逆にますます重要性が増すと締めくくっています。
「超」独学法』野口悠紀雄著の感想
私も子供のころより、誰かに教わるよりも自分で学ぶ方が好きだったので、納得しながら読むことが出来ましたが、才能も勉強量も異なっているために身につけたものはかなり少ないですが、今でもそれらが収入に繋がっているものもあります。
この本が出版されたころの著者と近い年齢になっていますが、まだまだ独学で学ぶことが出来るのだと心強くなりました。
パソコンに初めて触ったのは、Windows98 からで設定はしてもらいましたが独学で覚えました。それから7台目のパソコンをメーカーからネット購入し、自分で設定して使っていますが、その頃からずいぶんと使い勝手が変わってきて途惑うことが多いのですが、ネット検索でなんとかなっています。
趣味のホームページを独学でつくり、現在はワードプレスでアフィリエイトをしています。
好きなことは夢中になる性格なので、徹夜で調べてなんとか設定したこともありました。
手作りでものをつくるのも好きで、ほとんどが独学ですし、それを仕事にしたこともあります。写真、短歌など多岐にわたって独学で学びました。
若いころは自分探しで悩んだこともありますが、高齢となった今でも、寝る時間も惜しいくらい好きなことに没頭して楽しんでいます。
やはり、独学は面白いと思います。