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『武器としての世論調査』三春充希著-選挙によって社会を変えたいと思う人に必読

武器としての世論調査

「原発事故以降の状況に問題を感じ、社会の在り方を模索するようになったという著者は、自然科学における洞察やデーター処理方法を生かして世論調査や選挙結果のデーターから社会の姿を描き出し、提示するということに取り組んできました。」と書いているように、冷静で正確な分析結果から、いろいろなことが読み取れる素晴らしい本になっています。

私もほとんど同じ時期にそれまで以上に政治に問題意識を持つようになり、フェイスブック、ツイッターなどを読むようになり、この本の著者である「はるさん」のツイッターに出会い、数年間そのデーターから導き出される社会状況を見せていただくことにより、少しは冷静に世論調査などをとらえられるようになりました。

世論調査の結果が信じられず、いつももやもやとしていた気持ちも少しは冷静に見つめられるようになり、世論調査から導き出される数値は今の社会を収縮しているものだということもおぼろげながら感じ取れるようになりました。

その世論を良い方向にもっていくためにはどのような方法があるのだろうと思っていた時(2019年6月10日)に『武器としての世論調査』が発売になり、読むことができました。

数日後に国会が閉会、参議院議員の選挙がまもなく行われます。その様子をこの本から冷静に見つめて選挙に臨みたいと思っています。

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『武器としての世論調査』の内容と読後感

1 世論調査、Ⅱ データーでとらえる日本の姿、Ⅲ 選挙と世論 と大きく3部からなり、それぞれについて詳しく書かれていて、読み進むうちに世論調査を分析することによって現在の日本の実態が見えてきます。

ツイッターなどは同じような考えの人の考えばかりを読むことが多くなり、全体としての考え方が見えにくくなりますが、世論調査はいろいろな考え方を持った方の集計ですからその中からは様々なことが読み取れ、また過去のデーターを見ることで何故このような世論になったかをのちに読み解くことができるようです。

そのようなことから、未来もある程度予測することができ、選挙戦略の大切さや戦略投票の仕方なども考えることができそうです。

著者は、その分析結果から、社会を良い方向に変えていくにはどうしたら良いかを考えるからだと書いています。

1 世論調査

現在の世論調査の問題点を批判している人の中には、捏造されているのではないかと疑う方もいるようですが、世論調査を通じて社会の姿を知ろうとする立場に立つなら、世論調査のデーターを読み取ることで、実際の政治における出来事との関連に注意し、能動的に調査結果を利用したり、調査の妥当性を評価したりすることができるといいます。

その上で、調査の方法、調査の妥当性などについて、ある程度の数の人に対して行われる調査結果の誤差の少なさと正当性を丁寧に説明しています。

そして、各社による世論調査に差が出るのは、聞き方によるところが大きいとしています。

また、選挙の時は無党派層が減り、選挙ブーストが起こり、どこかの党を押し上げる傾向があることも過去のデーターからわかるようです。このようなことを考えながら世論調査を見るとかなり興味深いものがあります。

しかし、世論調査では未来は予測出来ず、また多数派が正しいとは限らないと書いています。

そして、歪みを持った社会であるとき、あきらめて自らを納得させて多数のほうに流れることもあり得るようです。現に選挙に行っても何も変わらないから行かないという言う人さえ私の周りにはいます。

それでも社会がこのように歪みを持っている世の中に生まれてしまった以上、その歪みに同化させるのでなければ、社会そのものを変えるしかなく、それには深い洞察とそれに支えられた言葉と行動が必要になるといいます。

Ⅱ データーでとらえる日本の姿

世論調査を分析してくることで、地域性や年齢層によっての支持政党、その選挙の時期に日本に起こったことなど、かなり多くのことがわかり世論調査から見えてくることの大きさは思った以上でした。

政権与党は西高東低であり、それは宗教信仰の違いが厚いこと、共同体が地縁、血縁が強く、地域に密着した集票ができることによるようです。また歴史的に見た場合も神社仏閣は西部に多くそのつながりが集票性につながっていることが読めるといいます。

また、創価学会と連立を組んでいる自民党は、西部の票をより強固にしていることが読み取れるようです。

民進党から分かれた立憲民主党は都市部を中心に集票できたことは、新党としての認知度が地方にまで浸透しなかったからであり、民進党の地盤を継いだ希望の党は地方に地盤があったことにより全国的に票を集めることができたのでしょうが、その成り立ちに問題があったために伸び悩んでしまいました。

しかし、地方の過疎化により、都市部に人が集まったにより、都市と地方という対立軸も生まれ、都市部では西部でも野党が強くなっているようです。

これら多様化した社会においては年代別による投票動向も違いもあり、より複雑化しているようですが、細かく分析してみていくことでいろいろなことがみえてくることに驚かされます。

また、ソ連崩壊を機に、社会党が衰退した時期、政治が不安定になったバブル崩壊の時期に無党派層が増えてしまったということも世論調査を分析することによって読み取ることができるようです。

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Ⅲ 選挙と世論

選挙に行ったからと言って思うような政治をしてくれるとは限りませんし、選挙の時だけいいように言って、当選したら違ったことをする政治家もいます。しかし、国民がきちんと管理していればそのような人は次には選ばれないでしょう。

しかし、選挙で選れれば任期中は何をしてもよいというわけではないにせよ、政権を担った政党が思うような政治をしてくれるとは限りません。

そのうえ、社会はいろいろな市民がそれぞれの悩みを政治で実現してほしいと思っています。選挙で選んだ政権に国民は何ができるでしょうか。デモを否定する人もいますし、日本は盛り上げりに欠けますが、世界ではデモによって社会を変えている国もあります。

多くの富をもった人たちが少数であるにも関わらず、多数であるはずの一般市民が不利益を被らないように選挙の歪みを捉え、対策を講じることが大切だといいます。

特に小選挙区になってから、与党の議席が増えるようになっていてかなり問題点を含んでいるようです。私もこの制度になった時に疑問を感じましたが、1国民の力は何の役にも立ちませんでした。

どうしても小選挙区区では与党が議員数を多くとってしまいます。今度の参議委議員戦では小選挙区では与党共闘を進めているようですが、どのようになるでしょうか。

世論調査を読み込むことによって、国民がより戦略的な選挙をすることにより、票を多くとることも可能であることも考えられるようです。そうすることは発表される世論調査を読み込みより戦略的な選挙を行わなければならないことになります。

現状を打破して、国民の多くが生きやすい社会にしていくためには、すべての国民があきらめることなく、声をあげていくことが必要なのだろうと思いました。

難しいことなのかもしれませんが、やりたい放題の与党の票を3分の2を崩すことが第一歩となるのだろうと思っています。

より多くの人に、この本を読んでいたいただけたらと願っています。

最後に選挙制度の難しさを理解していない国民が多いのではないかという思いを持ちましたが、なぜこのようなわかりにくい制度を国民に周知させないままに選挙が行われていることに疑問を感じています。

衆議院議員選と参議院議員の選挙はかなり違っていて、選挙方法により当選者が変わりかねないと思いました。

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