スポンサーリンク

本・読書感想・映画

『火車』宮部みゆき著ー多重債務を書いて現在の闇の部分をえぐり取る

都知事選に出馬した宇都宮健児氏が多重債務に陥った人を助けた弁護士のモデルとして書かれているということを知り、購入していた宮部みゆき著『火車』を読了しました。

『火車』は第6回山本周五郎賞受賞を受賞したミステリー小説です。また2008年に賞創設から20年間のベスト・オブ・ベスト1位に輝いています。

サラ金社会問題として大きくなった昭和50年後半から、宇都宮健児がモデルの溝口悟郎弁護士が自己破産を扱って多重債務者を助けることに力を注いでいました。

スポンサーリンク

『火車』のあらすじと感想

私はミステリー小説はあまり多くは読んでいませんが、『火車』はこの時代の多重債務を扱っていたことや、現在でも困っている多重債務者に対する問題意識を持っていることから、興味深く読みました。

自己破産をした関根彰子は「幸せになりたかっただけなのにどうしてこのようになってしまったのだろうか」と言っていたという。

何枚ものクレジットカードを作り高利の金利を払い続けているうちに雪だるま式に借金が増えて手に負えなくなる人が多くいること。誰の身にも起こりうることを弁護士の溝口悟郎が教えてくれるのです。

『火車』のあらすじ

本間がある事件で足を撃たれ休暇をとっていたとき、交通事故で亡くなった奥さんのいとこの息子栗坂和也が訪ねてきます。婚約をした関根彰子にクレジットカードを作るように話したところ、自己破産をしていて作れなかったことがわかり、彼女に話したところ行方不明になってしまったので、探してほしいということでした。

それを調べ始めた本間は、思いもよらないことに出会っていくのです。栗坂の話してくれた勤務先は辞めていて行方がわからず、自己破産を頼んだ弁護士事務所を訪ねて写真を見せると、関根彰子の顔とは異なることがわかります。

本間は栗坂和也の言う本物ではない関根彰子から調べることにして、住民票を手がかりに仙台で生まれたという住所を尋ねてどのような生活をしていたか調べると、母親がいたが、バーの階段から落ちて亡くなっていること、勤め先は小さな会社から、スナックを2つくらい変わった手板が、その後は出勤していないことがわかりました。

栗坂和也が婚約していると言っていた関根彰子は勤務先はわかったが、行方はわからないままで何者かわからなかったが、彼女の部屋に栗坂に案内されて見つけたアルバムのなかに野球場のなかに内向きについているライトから、使わなくなった球場内に建っているのはモデルハウスだと言うことがわかり、そのメーカーは下着なども扱う会社で、その会社の箱が関根彰子の部屋にあったことから新城喬子と関根彰子と接点を感じ取ります。

その会社の男性社員が新城喬子と付き合っていたことを突き止め、顧客名簿を手に入れることにより、新城喬子と関根彰子とのつながりを特定します。

その男性から、新城喬子が結婚していたのは倉田不動産の息子だったこともわかります。新城喬子は男性の心をつかむような力を持っていたようで親の反対を押し切って結婚したが、家を建てて破産して取り立てから逃れ、母親はなくなり父親とは別れ、旅館で仲居として働いていたときに倉田と知り合い結婚したが、倉田の家まで取り立てが来るようになってい他と言います。

本来なら保証人になっていない子供には支払い義務がないので、どうしようもないと言うことでした。

損あおり、官報から亡くなった親を必死に探す喬子の様子を見て倉田の情熱は冷め、離婚し、下着メーカーのローズライン勤めることになったということです。

どこまで逃げても取り立てから逃れられない新城喬子が自分の足跡を消して自由になるために関根彰子に成り代わっていたのです。

顧客名簿から新城喬子が成り代わろうとした人探そうとしていたかを追っていくうちに、それ以前に成り代わろうとして失敗したのではないかと思う人が見つかります。木村こずえの留守中に姉が放火でやけどをし酸欠になり植物状態になり昨年なくなったと言うことを調べ上げます。

その当時、その近辺は放火魔に狙われていたようです。

その後、姉が亡くなり身内のいなくなった木村こずえに近づいているのではと悟った本間は、こずえに新城喬子と会うことになっていると言うことを聞き出しました。

その約束の喫茶店で、本間、碇、保が待ち合わせることになったのです。

『火車』感想

2020年現在も多重債務を抱えて困っている人は多いのだろうが、この小説に出てくるような目に見えた取り立ては目にしなくなっただけでなのではないかと思っています。

この小説のなかにもあるように、この時代は目に見えて取り立てが激しく、夜逃げをするような人が私たちの住んでいた近くにもいるのが、伝わったきました。

自己破産という言葉が聞かれたのもこの頃で、その後法律も少しずつではあるが改正され、消費者を守ってくれるようになったとは聞いています。

しかし、カードを作れば、リポ払いを進めるメールはひっきりなしに入るし、少しでも油断すれば金利の高いリポ払いで借金地獄に落ちるのではないかという思いはつきまとっています。

ゼロ金利時代といえど、リポ払いにすれば14%の金利とか本当に心を占めないとカードに使われるのではないかと思わされます。

そのような、現在の不安を巧みに描いてとても考えさせられるないようになっています。

created by Rinker
新潮社
¥1,100 (2020/12/05 15:11:01時点 Amazon調べ-詳細)

created by Rinker
毎日新聞出版
¥1,980 (2020/12/05 15:08:09時点 Amazon調べ-詳細)

関連記事(一部広告を含む)

お越しいただきありがとうございます。不備な点、疑問点、間違いなどありましたらお手数でもお問合せよりお知らせ頂ければ嬉しく存じます。


スポンサーリンク

-本・読書感想・映画
-

© 2020 本とパソコンのある暮らし