数冊の夏目漱石の作品を読んできたが、『明暗』は病没のため最後の小説となってしまった未完の作品です 今までに読んだ数冊の小説も近代文学を代表する作品であり、私の好きな作品でしたが『明暗』はそれまでの作品とは違った印象をもって読み始まました。 夫婦のありようを男性の眼と女性の眼から書かれており、それぞれにお互い対する不満やぎこちなさをお互いの目から述べて、その駆け引きは今に通じるものがあり心持ちの古さが感じられないと思いながら読みました。 名作と言われる作品は人間の奥深い心を探っているため、時代を超えても私た ...