2016年に作成された、佐藤太 監督の映画『太陽の蓋』をアゾンのレンタルで見ました。
東日本大震災から9年の歳月が流れましたが、未だに被害者が立ち直ることが出来ずにいる中、保証を打ち切られようとしています。
津波の犠牲者も多く出しましたが、福島第一原発では、全電源喪失の事態に陥り、冷却装置を失った原子炉は、温度が上がり続け、想定外の状況を前に、判断を誤る科学者たちと情報不足のまま、混乱を極める官邸、そして故郷に別れを告げ避難を急ぐ市民たちをリアルに描いています。
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『太陽の蓋』映画のあらすじと感想
突然に襲った地震は東北から関東まで大きな揺れとともに巨大な津波で多くの生命を奪いました。
津波の被害が大きかったことが大きく報じられましたが、最初は原子力には特に問題がなかったという風に思われていました。
『太陽の蓋』映画のあらすじ
この映画は、突然の揺れとともに起こった関東大震災により起きた、福島第一原発事故を記者の目を通して描いています。
地震と津波の大ききさに気を取られて、原子力には特に問題がなかったと伝えられていたが、福島第一原発は危険な状態に陥っていたのです。
全電源喪失の事態に陥っていて、冷却装置を失った原子炉は、温度が上がり続け、予備の電源がないと冷却できずにメルトダウンを起こしかねない状態になっていました。
電源さえ確保出来れば稼働が可能な状態のようで、自衛隊の車を現地に向かわせますが、地震と津波で道路が分断していて間に合いません。重くてヘリでも運べません。そんな中1台の電源車が着いたのですが、プラグの形があわなくて、役に立たないと言う連絡が入ります。
非常用に設置した弁から水蒸気を外に逃がすベントと言う世界でしたことのない方法をとることになります。
それで、成功したかのように見えましたが、翌日の3月12日午後、1号機の原子炉建屋が水素爆発し、続けて3号機で、2号機で連鎖するように異変が起こります。
混乱を極める官邸の菅直人総理、寺田内閣官房、枝野官房長官、福山官房副長官、原子力安全委員、斑目委員長などが実名で出て来て必死に対応する姿が描かれます。
そんな中、情報を出そうとしない東電のために混乱を極める官邸の動きをリアルに書いています。
原子力の怖さを知っている外国人は自国にと戻っていくくらいの恐ろしさを予測していたようです。
原子炉に務める地元の人達は賢明に作業しとりあえず、収まったかに見える福島第一原発は今でも未解決のまま、立ち入り禁止になっています。
『太陽の蓋』映画の感想
初めて世界で起きた地震による原発事故で、民主党政権は情報不足の中でかなり混乱を続けながらも関東地方が全滅するのではないかという危機の中、不備はありながらも頑張った政権の姿を記者の目を通して描いています。
その当時、隠された問題も数年過ぎて、裁判で明らかになったこともありますが、その当時は民主党政権が、野党の自民党や国民に叩かれて大変だったという状態だったようです。
9年目を迎えた今年あたりからは、よく頑張ったのではないかという評価も聞かれるようになっています。
しかし、その時政権の中枢にいた総理、官房長官、官房副長官は現在は立憲民主党に属していて、脱原発を掲げていますが、少数野党のためになかなか思うようには行かないようです。
その時、止めた原発も再稼働をして、今でもいつ事故が起こるかわからない状態です。
再生エネルギーが世界の趨勢になっている中、私は一日でも早い原発廃止を望んでいます。