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『フルハウス』柳 美里著

1996年6月刊行の小説なので、25年も前の刊行であり、著者の初期作品になるようです。

『生(生きる)』2001年8月30日を読んで、つぎに読んだ本が、『フルハウス』かもしれません。

25年も前の小説を、本箱を整理していて見つけて読んだのですが、それだけわたしの時間が過ぎていたので、おぼろげに読んだ記憶を感じながら、読み進むうちに思い出しながら読むことになりました。

『生(生きる)』を読んだことにより、柳美里の生い立ちなどを作者が書いた物により、ある程度分かっていたことは良くも悪くも作品を読む上で理解をすることの助けになりました。

『フルハウス』のあらすじと感想

『フルハウス』には、中編の『フルハウス』と『もやし』に2作が入っています。

『生(生きる)』の中で書かれた母親と父親が、どこか再現されているようで、内容を理解することをより容易にしてくれます。

『フルハウス』のあらすじ

父が夢だった家を建てわたし(素美)と妹の羊子が呼ばれていったが、父が勝手口から入り、家の中から玄関の鍵を開けてくれた。

お金が払い終わっていないので、玄関の鍵はもらえないのだという。

わたしも妹も住むつもりのない家だと分かった父は、いつの間にかホームレスの家族を入れていた。

その変わった家族の中で数日一緒に暮らすことになった生活を書いているのだが、一言も話さない少女と少年の父母の4人家族だ。

この個性的な家族は常識では考えられないような行動をとり、理解の外の動きをするのだが、それが柳美里という小説家の書く人間の不思議なところかもしれない。

少年が、家事だと消防署を呼び、父親にしかられているのを見て、少女はカーテンに火を付け話せない少女は「これで嘘じゃないと」と叫ぶ。

燃え上がるカーテンを夫婦は真剣に消していた。

『もやし』のあらすじ

『もやし』も芥川賞の候補になった作品と言うことだが、あらすじを追うというよりは、作中人物の個性的な行動や雰囲気から読者が何を感じ取るかという問題提起をしている小説なのだろう。

浮気相手、浮気相手の妻、それらに傷ついている気配のないわたし、母親が勧める、お見合いをした40代の知恵遅れの男性と行動して、どこか惹かれていく作者の気持ち、どの人間も常識という枠を超えて、読者に何かを訴えてくる。

すべて読者の感性に訴えて書かれた物語に、昔の恋人阿川が物語を、引き締めているが一度も出てこないで物語は終わります。

『フルハウス』の感想

柳美里のあまり良い読者とはいえないが、常識にとらわれない生き方が、このような作品を生み出すのかもしれないと思いながら読みました。

わたしの周りにはあまり出会うことのない生き方をしている作者である故に、いつも常識的な生活を送っているわたしからは新鮮に映りますが、決してこのような考え方や生き方が出来ない部分を小説で楽しむことが出来ます。

本を読むと言うことは、自分では考えることも行動することも出来ない生活や想いを少しでも吸収出来ること、理解しようと努めることが楽しいのかもしれません。

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