『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』はリリー・フランキーが母親との人生を書いたノンフィクションの同名小説を原作とした映画ということで、1960年代、3歳だった僕が玄関を壊して入ってきた父に焼き鳥を食べさせられるところから始まります。
樹木希林が亡くなり、アマゾンのPrime Video で樹木希林作を見るようになっています。
この映画はボクの子供時代の母親を娘の、内田也哉子さんで、成人した以降の母を樹木希林という配役になっています。
2007年4月14日に松竹配給で公開されました。オダギリジョー主演、第31回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品で、松岡錠司が最優秀監督賞、松尾スズキが最優秀脚本賞、樹木希林は最優秀主演女優賞、僕役のオダギリジョーは優秀主演男優賞を受賞しています。
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『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』のあらすじと感想
酒癖、女癖の悪い父を残して母は3歳のボクを連れて、実家の筑豊に引っ越しました。
映画は子供の頃のボクと成人した僕を交互に描いてとても魅力的な構成になっていますが、ここでは簡単に子供時代から大人になるまでのあれすじを書いていくことにします。
母は筑豊に戻ってから、ブーブおばさんの小料理屋を手伝いながら、ボクを育てていたが、そこでは思い切りボクははじけていました。
親が決めたことのようで、ボクは夏休みになると父のところに行くことになっていました。父は船を作ってくれたり、絵の描き方を教えてくれたり、それなりに楽しく過ごしていました。
あるとき母が化粧をしているのを見て、一緒について行きましたが、妹のお店で知り合った男の人と一緒でゲームをしている間にいなくなってしまい、探し当てるのですが何かを感じ取ったのでしょうか。
オカンにオトンが好きかと問われ、ボクは「うん」と答えます。
中学生になった頃、母とボクは二人で暮らすことになっていました。久しぶりに父と会うと父は引っ越しに必要なものを持って行くようにと言いました。
中学2年くらいになり、母の邪魔にならないようにと、高校は大分の美術高校にいくことにして一人暮らしを始めることになります。バスに乗り、母が作ってくれたお弁当を開けると包みの中には手紙とお金が入っていて、手紙を読みボクは泣きながらおにぎりを食べるのでした。
しかし、高校生活も真面目とは言いがたく、失恋したり、ヒラグリと言う家が美容院の友達と、母が送ってくれたお金でタバコを吸いまくったりして堕落した生活を送っていました。
高校を卒業すると東京の武蔵野の美術学校に入ったが、大学生のボクは、友人たちと飲んだり、麻雀したり、パチンコしたりと、高校生活同様堕落した生活でした。久しぶりに再会した平栗は、家業を継いで美容師をしていたのだが、ダンサーを目指して上京していて、ボクの家に居候してきます。
堕落した生活し、仕送りは使い込んでいてサラ金のカードばかりが増え、ボクはオカンに電話をし、このままだと卒業できないことを伝えました。別の日、オカンからの電話で、店を持つことにしたから留年しなさいといわれます。
1年後に卒業はしたが、就職をせず、伸びきった生活を生活をしていた僕はオカンにお金を送ってほしいと電話をしたが、筑豊のばあちゃんの体調が良くないから一度帰ってきなさいと言われ、その後亡くなったという電報が届き、叔母からオカンが癌の手術をしたことを聞きました。
ボクは表参道にイラストレーターを目指す「えのもと」という男と一緒に住むことになり、怠けていた生活を一転、絵や字をひたすら書き借金を返すことができました。その頃オカンも、諦めずにお店に出て働いていました。
本を出すことが出来た時、筑豊のばあちゃんの家に戻っていたオカンは喜んでボクに電話を掛けてきました。
平栗も夢を見つけ小さなバーを出していて、そこで出会ったミズエと付き合うことになったがボクはオカンのことばかりを話していました。
ミズエがオカンに会いたいと言ってくれたので、オカンに電話をして東京で一緒に生活しようと話すと、遠慮しながらも喜んで出てきて一緒の生活が始まり、オカンの手料理を食べに大勢の人が集まるようになっていたが、慣れてくるとボクは仕事で留守がちになるようになっていて必要な事しか話さなくなっていた、ある7年目にオカンの癌が再発し入院することになりました。
生まれて初めてオカンの手を引いて病院に行くのでした。そこは東京タワーが見える病室でした。子供の時、父が建設途中の東京タワーを背に写っている写真がありましたが、数十年を経てオカンが入院した部屋からみえる、ライトアップされた東京タワーがとてもきれいでした。
ミズエとは別れたようですがオカンは知らなかったようで、オトンからもらったという指輪をミズエにあげたようでミズエは迷っていたが、もらっておいてくれと言いました。別れたとはいえ、オカンの病室には花束を抱えて時々訪れていました。
医師からは手術は無理なので、抗がん剤治療をしますかと言われ、抗がん剤治療を始めたが、副作用が強く2度目には止めてしまい、2から3ヶ月の寿命だと告げられます。
オカンはボクの卒業証書を傍らに置き大切にしていました。
個室に移ることになり、ボクは簡易ベッドを入れてもらいそこでオカンと一緒に生活することになります。
オトンがくることになり、オカンは髪が伸ばし放題なのを気にしていたので、平栗にきれいにカットしてもらいオトンを迎えることになります。
オトンもオカンが長くないことを悟ったようです。オカンの隣で寝ていてほしいとオトンに頼むとオカンはボクがでているラジオをつけてもらい、オトンは、ラジオで流れている音楽を聞きながら、昔オカンと踊ったことを思い出していました。
オトンが一旦帰ることにした夜、オカンは苦しみ初めて亡くなりました。
お通夜はオカンの知り合いが沢山集まり、賑やかでしたが、ボクには締め切りの原稿が残っていました。書けないと思っていたがオカンが出てきて書きなさいと言われ必死に書いて、オカンの隣に寝ているとミズエがきて、東京に来て1年の間にいろいろなところに連れて行ってもらって親子孝行は一生分してもらったと母が話していたと教えてくれました。
お葬式の日、オトンが涙を流すのをボクは初めてみて、別れて暮らすことになっても、本当は愛情を持っていたのだろうと感じました。
東京タワーに連れて行く約束を果たせなかったボクは、位牌のオカンを連れていきました。そこにはミズエも一緒でした。
原作は読んでいませんが、配役の演劇が素晴らしく、その間合いから貧しくとも一生懸命明るく生きる親子の生活がにじみ出ていました。
キャスト
- ボク:オダギリジョー
- オカン:樹木希林
- 若い頃のオカン:内田也哉子
- 中学、高校時代のボク:冨浦智嗣
- 小学校時代のボク:田中祥平
- 幼少時代のボク:谷端奏人
- 筑豊のばあちゃん:渡辺美佐子
- 小倉のばあちゃん:佐々木すみ江
- ハイカラな男:寺島進
- 現在のノブエおばさん:原知佐子
- 現在のみえ子おばさん:結城美栄子
- タマミ:伊藤歩
- 平栗: 勝地涼
- えのもと:荒川良々
- ミズエ:松たか子
- オトン:小林薫