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『女帝 小池百合子』石井妙子著ー救世主か?”怪物か?

『女帝 小池百合子』は、石井妙子氏が3年半という歳月を費やして取材を重ねて書いた東京都知事、小池百合子の半生の道のりです。

私がはっきりと小池百合子氏の生き方に違和感を感じたのは東京都知事選からです。それまでは普通の女性政治家と言う思いで眺めていました。

都知事選に出馬したときに、学歴詐欺などの報道があり、選挙中の行動をテレビで見ていたのがすべてでした。

大きな違和感を覚えたのは、豊洲問題からで、その後のオリンピックの会場問題に至っては颯爽とテレビに出てくる姿を、違和感を感じながら見ていました。

その違和感の多くはその後の報道や小池百合子に対する著書で様々なことを知ることになり、その行動に疑問を感じ、政治家としての評価を疑うようになっていました。

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『女帝 小池百合子』のあらすじと感想

著者は生い立ちから、両親に出自、幼少期からの彼女を丹念に調べていますが、何故か謎が多いようです。それはその頃からの嘘で固められた生き方は彼女の両親も例外ではなく、彼女が書いた書籍と符合しない部分が多く、真意が分からないことからも多いようです。

政治好きな父親は、選挙に立候補したこともあるようですが、当選することがなかったようで、その夢を小池百合子氏がかなえたと言うことになりそうです。

決して恵まれた生い立ちでもなかったようですが、お嬢さん学校に行き、関西学院大学に入るが中退してカイロ大に行くことになりました。父親が中東に勝負をかけていたことから娘に通訳してほしいとの願いがあったのだろうと書いています。

子供の頃の彼女は目の細い、目立たない顔立ちで、右の頬には直径3センチくらいの赤あざがあり、母は心配して病院に通ったが治らなかったようで、それをかなり気にしていたのではないかと著者は書いています。

小池百合子ほど自分の生い立ち、経験、経歴を自ら語り、売り物としてきた政治家は珍しいと、著者は書きます。

そしてその大方は謎が多いのも特徴のようです。特にカイロ大学時代のこともかなり詳しく調べているようですが、小池氏が「主席でカイロ大学を卒業したと」というのは信用出来ないし、学歴詐欺だと言います。

カイロで同居していた人に出会うことが出来、彼女は小池百合子のカイロ時代のことをかなり詳しく聞きことが出来ました。そしてカイロ大学を卒業していないこと、カイロで結婚をしたがすぐ離婚したことなど、小池が語っていることや書いていることとはかなり違っていると、この本に書いています。

学歴詐欺は都知事選に出たときにもかなり問題になり、週刊誌などで報じられたので、私も知ることになりましたが、そこに小さく載っている卒業証書は変だと言うことです。別に学歴などどうでも良いことだと言う人もいるが、真実でないことを書いているのは問題があると著者も言いますが私もそう思います。

彼女はエジプトから帰り、タレントとして活躍するようになるが、細川護熙が我立ち上げた「日本新党」の参議院議員選挙に出ることになり、当選、ブームに乗っていた日本新党は細川と小池はの衆議院選挙に出て当選、細川内閣が誕生、小池は細川総理の官邸に出入りするようになったが、細川は来させないようにしてくれというくらい目立ちたがり屋であり、権力を利用するタイプだったようです。

細川が私財を担保に入れて党の運営費に回していたが立ちゆかなくなったときは、執行部への異議申し立ての急先鋒となり、小池はあからさまに細川批判をするようになり、新党さきがけの小沢の元へと接近していきます。機を見るのに敏だとと言われた小池は、用が済めば悪口をいい、新しいところへと接近していくのが常でしたが、女性だからこそ、出来た技だと著者か書いています。

小沢がだめだと思うと小沢の元を離れてバッシング、小泉政権では環境大臣になったが、水俣問題、アスベスト問題にも関心も興味もなく、官僚任せのようでした。

安倍政権下、初の防衛大臣になったが、阿倍は小池より2歳若くやりにくい相手であったようです。防衛大臣といってもやりたいことがあるわけではなく見せることにしか関心がなく、国際法上の判断を自分の意見として述べることも出来ないようでした。

防衛大臣としてふさわしくないなどという批判が続く中、守屋事務次官を辞めさせるよう総理に迫ったりと自分勝手な振る舞いをしていたが、その時の阿倍は体調不良で倒れそうだったと言います。そんな中での勝手な振る舞いに阿倍は小池を憎んだようです。

阿倍の後任に、小泉は福田康夫押したが、1年しか持たなかった。危機感を抱いた小泉は女性を立てなければだめだといい、麻生、与謝野馨、石原伸晃、石破茂、小池百合子の5人が立候補し小池は3位でした。

それを最後に小泉は政界を去るが、小池には日があたらない年月が過ぎ、60歳代になっていました。

金銭を巡る問題で舛添都知事が叩かれ始めたとき、小池は都知事選出でることを決意したが、自民党の反応は冷たく公認しないといい増田寛也を擁立しました。

そんな中小池は記者会見をして今までの活躍を華々しく語り出馬することに決めたのです。そして「女性という被害者」を巧みに利用し、今までの経験を強調し、石原慎太郎から「厚化粧の年増女」と言われると「右頬にあざがあるから隠している」と女性から同情を買い、女性を味方につけた選挙戦を戦いました。

著者が書いているように、私も政治家小池百合子が政治家として何をしたいのかほとんど知りません。

しかし、天性の感を働かせて、華々しくトップ当選を遂げたのです。

何故、それほどの人気があるのか分からないまま、圧倒的な支持を得て東京都知事になり、築地市場の豊洲移転、五輪の競技場の変更など、派手なパフォーマンスでメディアで発信していましたが、結局、混乱だけを招いて、何も成果を出さなかったようです。

彼女は石原慎太郎や細川護熙、小沢一郎といった権力者に、「すり寄っては叩き落とす」という処世術でのし上がってきたと言われているように、都知事になった途端に石原叩きが加速します。

豊洲問題は解決策を出さないまま、都議選を迎えますが、都議選では都民ファーストの議員を圧勝させ、自民党都議は完敗することになります。

2017年の衆議院選では、党首になった前原誠司が、すべての議員を小池率いる希望の党から出馬させることとして、民進党が分断、立憲民主党を枝野幸男が立ち上げることになります。

希望の党は、小池百合子の「選別します」の言葉により選挙戦が苦境に立たされることになったのです。

小池が知事になったときに掲げたユリノミックスは何も出来ないまま、迎えることになった4年後の知事選でも圧勝することになります。

『女帝 小池百合子』の感想

石井妙子氏の取材力にによって小池百合子氏の実像がかなり見えてきたように思います。

いつもメディアに出ているし、週刊誌などで話題になることの多く、おおかたの実像は見えていましたが、この本を読むことにより、どのような経緯でそのようになったのかが手に取るように分かります。

そして、小池は政治の世界に出てきてからのある一部なのだろうがその周りの政治家の人物像も見えて興味深く感じられました。

権力者に近づきそれが衰え始めたときには、次の権力者に移っていける生き方は誰にも真似の出来るものではないでしょう。それを華麗に演じる才能があったからこそ、女性を武器にして上り詰めているのでしょうが、その華麗さに酔った人々は、その演技を見抜くことが出来なかったからこれほど多くの支持を得続けているのだろうと思います。

総理を目指すと言われている彼女の真実の姿を多くの人に知ってほしいと思いながら読みました。

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