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『そして父になる』是枝裕和 監督 映画ドラマ

是枝監督による『そして父になる』はずっと見たいと思っていたのですが、アマゾンプライムのDVDで見ることが出来ました。

赤ちゃん取り違い事件は957年~71年の間だけで全国で32件もの数が報告され、社会問題になっていましたが、この事件の報道された時、私はもし自分の子供がこのような事件に巻き込まれたとしたら、どのように対処できるのだろうと考えることもありました。

当時週刊誌の記者だった奥野修司が、実際にあった新生児取り違え事件を25年間取材し続け、1995年に出版したドキュメンタリー『ねじれた絆』も、参考文献として採用されたようです。

福山雅治、尾野真千子、真木よう子、リリー・フランキー、風吹ジュン、國村隼、樹木希林、夏八木勲、中村ゆり、ピエール瀧、高橋和也、田中哲司、井浦新、子役に二宮慶多、黄升げんなど豪華キャストの映画です。

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『そして父になる』のあらすじと感想

『そして父になる』のあらすじ

エリート建築家の野々宮良多と妻みどりの6歳のひとり息子の慶多が小学校の入学試験を受ける場面からドラマは始まります。

東京の豪華マンションに住む良多は息子がおっとりしていて、競争心がないのが不満のようです。

ある日、息子の慶多を出産した病院から重要な知らせがあると呼び出され、斎木家の琉晴が血液検査をした結果、血液型が会わず、同じ日に生まれた慶多と出生時の取り違えが起きていた事実を知らされます。

息子の慶多は実の子どもではなくなく、斎木家の琉晴だというのです。

取り違いは、その当時の看護師が、自分が夫の子供とうまくいかずイライラしていて、「野々宮さんの家族が幸せそうだったのでわざとやった」と証言をします。

事件は時効が過ぎていて賠償ももらえなかったのですが、その看護師は弁護士にお詫びにとお金を渡していきますが、それを返しに行った時、大きく育った息子が母親をかばいます。

「あなたは関係がない」と良多が言うのに答えて、母親だから関係があると言います。看護師は子供と絆を深めていたのです。

慶多の入学式の後、良多は息子を2人とも引取りたいと斎木雄大に提案するが、「負けたことのない奴は本当に人の気持ちが分からないんだな」と、雄大に激怒されます。妻の緑も驚き謝ります。

両家ともかなり困惑し、「ミッション」と称して、土曜、日曜にかけてお互いの家で暮らすことにしますが、どちらの子供も違和感があり寂しそうです。

野々宮家は何かとしつけが厳しく、琉晴は群馬の家まで逃げ帰ってしまいますが、連れ戻されてしまいます。少しずつ少しずつ琉晴とも心が通い始めた頃、妻のみどりは慶多を思いだし涙ぐみます。

良多はカメラの中に息子の慶多が写した疲れて寝ていた自分の姿を見いだし、心が揺れ始めます。

連休で、琉晴と群馬に行った時、裏切られたと思っていた慶多が逃げ出したのを追いかけて、「もうミッションなど終わりだ」と電気屋の家に入っていきます。

良多は遺伝子的な父親ではなく、心から息子の気持ちが理解できる父になったのでしょう。

赤ちゃんからの6年はお互いにとってかけがえのないものです。この映画は最後の解決は見るものに委ねていますが、ほとんど解決策などというものはないのではないかと思わされました。

『そして父になる』の感想

是枝監督のまなざしは温かい。大人の身勝手も子供の目を通してそれとわかるように描いています。

大人たちは、自分の都合で考えて解決しようとするところがあるが、一番困惑しているのは子供たちであり、今後の生き方の中で大きな位置付けとなるだろう年齢を考えるととても悲しい出来事であり、本当は子供の人生を考えた上での行動が大切になるのでしょう。

涙を流しながら読み終え、宿題を与えられたような思いの私にも答えは見つかりませんでした。

この問題だけでなく、世の中には様々な問題がありますが、一番弱い立場の人達の思いをくみ取り解決するように心がけなければいけないのだろうと思いました。

この家族は血のつながった子供と心の繋がった子供たちの狭間で生きていくことになるのかもしれません。



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