私たちが死後に必要になるだろう墓所について長いこと考えてきました。
転勤族だった夫が60歳になった時に終の住処と考えたところに家を建ててあったので引っ越しし、守るべき墓もないので、とりあえず永代使用の墓地の権利を購入してお墓を立てておこうと考えましたが、その後娘が嫁ぎ、墓を建てても守る人がいないことから墓を建てるのを引き延ばしてきました。
そうしているうちに樹木葬などという言葉を聞くようになり、守り手のない墓が荒れ放題になっている現状をテレビなどで見ているうちに墓を建てることに疑問を持つようになってきました。
あまり遠くないところで樹木葬や永代供養をしてくれるお寺を探してみましたが、なかなか見当たらないままに月日が過ぎていきました。
今すぐ必要としているわけでもないので、そのうち良いところが見つかるのではないかとのんびり探すことにしていました。
そんなある日、樹木葬のカプセル型の墓所の広告が入って来たのです。
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樹木葬というカプセル墓所の権利を購入した
我が家はある程度の規模の住宅地ですが、樹木葬などが売り出されている東京近辺まではかなりありますのでそれほど遠くないところで探そうと思ていました。
早速、広告を頼りに売り出されている墓所を見に行きました。
私たちは具体的なことはまだ考えていなかったので、樹木葬というものがどのようなものかも、永代供養の墓所というのもテレビで見た以外の知識は持っていませんでした。
見に行った墓所はカプセル型で、夫婦の骨壺が縦に2個入るくらいの深さのものでその上に墓碑銘を彫るという。墓碑銘を彫るふたのようなものは御影石でできていました。
真ん中に如来像が建てられていて、その周りに100以上のカプセル墓所があり、値段は場所によって異なっていましたが、墓を建てるよりはかなり安くなりますし、50年の供養の後は永代供養の墓所に移されるということでした。
カプセル墓地の使用は契約から50年ですが、その前にお骨を移したいときにはどこにでも持っていくことができるというメリットはあるようです。
そこはお寺の外墓地になっていて、その時はきれいで人がいたので寂しくはありませんでしたが、誰もいないところに一人でお参りするのはちょっと寂しいところでした。
そのようなこともあり、少し遠い場所でしたが、ネットで調べた永代供養の墓というものも見てくることにしました。
そこでは樹木葬の墓も売り出していたのですが、売約済みになっていたのですが、そこの樹木葬はお骨を布袋に入れ変えて、樹木のもとに埋めるというもので、土に帰るという形式のものでした。
ほかに永代供養墓があり、お堂のようなところにお骨を30年安置してその後は骨壺から出してお堂の中で永代にわたって供養してくれるというものですが、外に出すことはできないということでした。
そこは従来の墓を売り出している広大な墓所で石屋さんがお墓を立てていましたし、売り出し中でだったので事務所もありました。
その事務所に入っていろいろとお話を聞くことができましたが、そこは真言宗なので、(その前に見てきたところも真言宗でした)我が家の宗派と違うということも心にかかるところがありました。
石屋さんはいろいろな情報を持っているとは聞いていましたが、数か月前に売り出した県庁所在地の駅に近い鎌倉時代からの名刹のお寺が数か月前にカプセル墓地を境内に作って売り出しているが、数個残っているということを教えてくれました。
宗派を聞きましたら、私たちが探している宗派に近いことも分かり、有名なお寺ですが墓を建てるより安価で50年は取り出し可能でその後は供養塔に移り永代供養をしてくれると言うことでした。
駅前の裏どうりの大きなお寺で私たちも見たことがあるお寺なので早速管理事務所に行って見せてもらうことにしました。
見せていただいたところは、境内内の墓地の奥まったところにありましたが、あまりにも古いお寺なので、境内墓地も無縁になっているところが多いようで、古い墓石の多いお寺でした。
そのような無縁墓所を移して作られたところのようで阿弥陀如来を中にして、かなり多くのカプセル墓地ができていました。
そのお寺に墓を持っていた方もカプセル墓地を購入した人もおられたとのこと、時代はそのように移っていることをあらためて感じました。
境内内には国の重要文化財に指定されているものもあるお寺の境内墓地ですし、観光客も見えるところなのでお参りをするのも寂しくないし、電車で来ても駅の近くだということで権利を購入することに決めました。
さほど急いで探していたわけでもないのですが、いろいろな縁が重なり納得のいくところに死後の住処を決めることができて一安心しました。
ご住職さんともお会いしたのですが、入る場所が決まれば安心して長生きできるというお言葉をいただき、娘にも余計な苦労をさせないで済むことになり肩の荷が下りたような気持になりました。
早速不要になり、管理料を払っていた永代使用の墓の土地はお返ししました。
東京世田谷の緑あふれる庭園がある寺院です。墓守がいないなどのご心配がある方、一度見学してみませか。