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『それでも日本人は「戦争」を選んだ』加藤陽子著ー史実を下にした素晴らしい歴史書

加藤陽子氏は東京大学大学院の教授です。3年毎に約半数105名が任命替えされることになっている2020年の学術会議任命拒否された6名の中の一人になっています。

学出会議については、総理に任命権はありますが、形式的な任命であり、今まで任命拒否をされた学者はいなかったことから大きな問題となっています。

その中の加藤陽子氏の著作である、『それでも日本人は「戦争」を選んだ』に興味を抱き、読んでみたいと思いました。2009年発行になているので20年前に書かれ、小林秀雄賞を受賞しています。

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『それでも日本人は「戦争」を選んだ』について

下記のような題目で、高校生を対象にした講演録ですが、日本はもちろん、海外の文献もきちんと読んだ上で、これらの時代に日本から見た世界の情勢を丁寧に書いてあります。

この本からその時代の内閣の中枢の人たちがどのような考の下に、日清戦争から太平洋戦争までの道のりをたどってきたかを読んで、今まで読んだものとは違った見方が多く書かれていて、とても興味深く読むことになりました。

  • 1章 日清戦争 「侵略、比侵略」では見えてこないもの
  • 2章 日露戦争 朝鮮か満州か、それが問題
  • 3章 第一次世界大戦 日本が抱いた主観的な挫折
  • 4章 満州事変と日中戦争 日本切腹、中国介錯論
  • 5章 太平洋戦争 戦死者の死に場所を教えられなかった国

『それでも日本人は「戦争」を選んだ』の感想

私が読んだ歴史書は、その時代に何が起きたかという概観であることが多かったし、日本が海外についてどのようなことをしたか、また日本人が戦場でどのような酷い目に出会ったかという点から書かれているものが多かったのですが、この歴史書はそのどれもと違って、政府の要人たちが、どのような意図で世界とどのように関わってきたかという点が主に書かれています。

そして、それが現在も残っている公文書などの史料を読み込んだり、研究者が丁寧に現実を読み解いたものを元に、その時代の現状を正確に伝えようとしている意思を感じることが出来ました。

それは、日本のトップが、世界のトップの決断がどのような未来を作っていくのかという恐れをも感じさせるものでした。

特に第二時世界大戦に突入する時代の政権の甘さがあの敗戦を生んだのではないかとの思いを大にしました。

この歴史書は、世界のトップがどのように考えていたかを中心に書かれたところが多いことから、世界や日本の国の庶民の考えや生活はほとんど書かれていません。そのようなことを念頭に読む必要があるのだろうと思います。

しかし、世界を動かすそれぞれの国のトップが何を考え、決断するかはとても大きなことであり、国民主権という憲法がある日本において、国民はしっかりと選挙で日本の代表を選び間違いのないようにすることこそ大切なのだと感じています。

戦争によっての死者数などはそれぞれの戦争について書かれていますが、いつの時代であっても、一番被害者となるのは国民であり、その国民を思い通りに動かすのがそのときの政権なのです。

そして、今の政府の政策を見ていると、この歴史に書かれている以上の危機感を感ぜずにはいられません。

何よりも戦争の反省として生まれた「学術会議の任命拒否」はあってはいけないことですし、国民もこの状態に対して政府に問題解決をするように訴えかけないといけないと思っています。

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