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本・読書感想・映画

『告白』湊かなえ著-2009年本屋大賞第一位(2010年映画化)

『告白』は著者湊かなえのミイステリー小説です。

アマゾン・プライムで最初に映画を見て、その後2008年発行の本を購入して読みました。映画化されたのは2010年なので、10年以上も前の小説であり映画です。

『告白』は湊かなえ氏のデビュー小説のようですが、私はあまりミステリー小説を読むことが少ないので名前はおぼろげながら知っていましたが、初めて読む作家の小説でした。

小説が映画化されるとかなり印象が異なりことが多いと今まで感じてきたことから、小説も読んでみたいと思いました。また、2009年の本屋大賞を受賞したと言うことにも興味を持ち、本を購入して読みました。

今までは読んだ本の映画化されたものを見るというのが普通でしたが、今回は反対になりました。それまでの私は本の映画化は割と物足りなさを感じることが多かったと思っていますが、今回は不思議と同じような印象でした。

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『告白』のあらすじと感想

映画も好きですが、文字を読むことに愛着を持っているので、本を読んだあらすじを書こうと思います。

それほど内容が違わないと行っても、物語は前後したりしていて、本の方に私はリアルさを感じました。

湊かなえ氏の本は初めてで、サスペンスに分類されているようですが、今まで読んだサスペンスとはかなり違った印象でした。

普通は、犯人が誰か分からないまま話が進むのが多いように思っていましたが、『告白』は最初から犯人が分かってて、話が進んでいきます。

第一章 聖職者

中学の教師の森口悠子を演じる松たか子が1年の終業式にシングルマザーとして育てていた娘愛美は水死となっていますが、殺されたのだと真相を話し始めます。

愛美はプールに落ちたと言うことで事故死になっているが実は殺されたのだ言うのです。

彼女は結婚を約束した人との子供を身ごもった後に結婚しようとしてお互いの血液検査をしたとき、彼がHIVにかかっていたことが分かりました。

彼はテレビに出るような熱血先生で、「世直しやんちゃ先生」と呼ばれていて本も書いている有名な先生で、生徒達もよく知っている人でした。

森口はそれでも結婚しようと言いましたが、彼が子供が偏見をもたれてかわいそうだと言い、シングルマザーとして働きながら育てることにしたと言います。

愛美が1歳になった時に職場復帰し、保育所に預けて、その後は学校のプールの裏手にある竹中さんに4時から預かってもらっていましたが、竹中さんが病気で入院することになり、6時までは保育所に頼み、職員会議のある水曜日だけ、保健室で遊ばせていたのだが、愛美は竹中さんの家の犬にパンをあげようと水曜日にプールの裏手の竹中さんの家に行っているのを下村君は知っていました。

それを知った優秀でで実験好きなA渡辺修哉君と平凡なB下村直樹君が愛美を殺してしまったのです。優美ちゃんがほしがっていた、わたうさちゃんのポシェットのファスナーに電流を通してお母さんからの少し早いクリスマスのプレゼントを頼まれたとあげました。

渡辺君は殺意を持っていましたが、下村君は倒れてしまった優美ちゃんが死んだものと思い、びっくりしているところに渡部君から罵声を浴びせかけられ、誰にでも言っていいと言われたため、自分の方が勇気があることを見せつけようと優美ちゃんを事故に見せかけることにしてプールに投げることにしました。

投げようとしたとき、愛美ちゃんが目を開けたのですが、止めることが出来ませんでした。結局、優美ちゃんは死亡し、事故死と言うことで処理されましたが、担任の森口が少年A、少年Bとして話します。

「世直しやんちゃ先生」が、余命3年と言われたことから最後を一緒に暮らしていた、エイズの「世直しやんちゃ先生」の血液を、2人の牛乳に入れたことを告げました。

第2章 殉教者

この章は美月が祐子先生にその後のクラスの様子と祐子先生に対して、何故あのような告白をしたのか問うとともにその後のクラスの様子を手紙形式で書いています。

2年生になり、クラス替えはなく、自称「ウェルテル」と言う先生が担任になりました。いきさつを知っているクラスでは様々な思いがあります。そんな中、修哉君は登校していたが、直樹君は登校しなくなってました。そんなことから先生から、委員長であり直樹の家と近いと言うことで美月は、ノートのコピーを週に一度直樹君の家に届けることになったのです。

直樹はエイズの恐怖から、極端な行動をとるようになります。例えばお風呂は最後に入るとか、トイレに入った後はきれいに磨くとかそれが母親には理解できませんでしたが、先生と美月が訪ねてくるようになってからは、母親にも反抗するようになりますますエスカレートしていきます。

登校している修哉君は、あるときをを境にいじめを受けるようになりました。先生がいじめを知ることになったとき、先生に言ったのは美月ではないかと思われて、修哉とともに美月もいじめに遭うようになります。それがきっかけで、修哉と美月は会うことになり、修哉は検査の結果陰性だったことを美月に話しますが、美月がエイズの血液を入れたという牛乳パックを持ち帰って検査した結果、血液が入っていないことが分かったと修哉に言います。

「世直しやんちゃ先生」が血液を採られたことを感じて、牛乳を入れ替えておいたことが後に分かります。

直樹は生活も乱れていき、風呂にも入らず髪は伸び放題だったため、母親が睡眠薬を飲ませ寝ている間に髪を切りますが、怒った直樹は丸坊主にして、カミソリをポケットに忍ばせてコンビニに行き、手を切り血液を商品に塗りたくってしまいます。

電話をもらった母親が血液のついたコンビニの商品を買い取って事なきを得ますが、家に帰った直樹は警察に行くと言います。母親は優美ちゃんを殺したのは修哉君で、死んだ遺体をプールに投げ入れたとばかり思っていたが、プールに投げ入れる前に目を開いたと聞いて、動転してしまいます。

直樹を殺して、自分も死ぬほかはないと思い込んで直樹の部屋に入っていくのですが、もみ合いの末に母が殺されてしまいます。

第3章 慈愛者

大学に進学して2回目の夏休み前に父からの電話で直樹の姉は弟が母を殺したことを知りました。父は2時間を掛けて会社に通っていたといえ、一緒に暮らしていて何も知らないようでした。

母が日記を買ったのを覚えていたので、それを読むと、詳細に弟のしていたことが書いてありました。その家での様子はエイズにかかることを恐れていた弟の気持ちと、愛美ちゃんを殺したことを告げられた母親の絶望感が伝わってきました。

そこからは、先に殺そうとしたのが母である事、弟は正当防衛だったこと、弟が心療内科にかかっていたことから無罪にならないだろうかと思うのです。

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第4章 求道者

直樹は母にとてもかわいがられて育ち、期待をかけられていることがとても重荷でした。「優しい」を連発するようになり、それに何も答えられていないことや、友達がいないことの孤独感を感じている少年でした。

そんな直樹に声をかけてきたのが、尊敬している渡辺君でした。渡辺は自分の研究室に誘ってくれいろいろなものを見せてくれるようになりました。直樹は有頂天でした。

2度目に渡辺君の研究室を訪ねたときにびっくり財布を見せられ、ファスナーのつまみに触ると感電するように作られていると言い、それを誰かで試したいのだが誰か選んでほしいと言われ、直樹は有頂天になり、先生の名前をあげたが、却下され、守口先生の子供の愛美ちゃんで試すことになりました。

愛美ちゃんがプールの裏の犬に餌をやりにくる時を狙い前に書いたようにわたうさちゃんのポシェットあげると感電して倒れてしまいました。それを見て渡辺君が「共犯とかににしないでね。最初から仲間だなんて思っていないから。能なしのくせにプライドだけは高い、そういうやつが一番嫌いなのだ。発明家の僕からしてみれば、君は明らかに失敗作だよ」と言われ、残された直樹は動転していました。

そして、愛美をプールに投げようとしたとき、目を開けたのに気がついたのですが、渡辺君が失敗したことを成功させようと生きている愛美ちゃんをプールに投げ入れたのでした。これが直樹君の優越感になります。

渡辺君に「なんで余計なことをしたのだ。」と言われても怖くない。優越感さえ感じて、成績も上がっていく。渡辺君が出来なかったことを僕が出来たのだという気持ちが大きかったようです。

森口先生ががプールで話がしたいと言ってきたとき怖くなり、家に来てもらうことにしました。母の前で2人は殺してやりたいくらい憎いが、少年法のため罪にはならないので告発をしないと言って帰って行きました。

終業式のミルクタイムの後、森口先生は、あのくらいの電流では死なない。プールに投げられたためにの水死だと言いました。すべて知っていたのです。

エイズの恐怖と殺したのが僕だと知ったら母は気が狂ってしまうのではないかと恐ろしくて仕方がありませんでした。そして休みが終わっても学校に行けなかった僕に母は病院に行って診断書を書いてもらって休んでも良いと言います。病名は自律神経失調症でした。

そして、コンビニ事件の後、母に本当のことを告げたが、母は警察に行こうという僕に対して何も言わずに、二人で死のうと思ったのです。それを過って母を殺すことになるのです。

第5章 信奉者

2学期の始業式に全校生徒が体育館に集合し、校長先生の挨拶の後に1学期に書いた作文が県の最優秀賞に選ばれ、表彰される予定になったいます。そしてその後作文を読むことになっているが作文は読まず短く別れを告げ、スイッチを押すことにしました。そこにいるすべての人を巻き添えにして・・・

ドストエフスキー『罪と罰』から考えて『命』というテーマで作文を書くには半時間足らずで中学生の言葉で主張することなど簡単に出来たと修哉君は書きます。

修哉君は母親から昔話など一度も聞かされたことがなく、添い寝をしてくれて毎晩聞かされるのは電子工学の話ばかりで、いつも発明家になりたかったという言葉で締めくくられました。

どのような母親に育てられるかによって、自分にとっての基準は母親だと思うと修哉は言います。彼は自分の母親より優れた人間に未だかって会ったことがなく、自分の周囲には死んだら惜しいと思う人間は誰一人いないと思っているようです。

父親もその中に含まれます。帰国子女であり、日本のトップクラスの大学の修士課程で電子工学を専攻していた母親は自分が進めてきた研究の最終段階で壁にぶち当たり、時を同じくして交通事故に遭ったしまいます。

学会でこの地方の国立大学を訪れた帰りの夜行バスが、運転手の居眠りで崖に追突してしまい顔面を強打し気を失いかけていた母親を車外に連れ出し、最初に到着した救急車に乗せてくれたのが父親だったと言うことです。

それをきっかけで2人は結婚し自分が生まれたが、その時期は母親のリハビリ期間だったのかもしれないと書いています。

「ママが果たせなかった夢を託せるのは、修ちゃんだけよ」と言い小学生の子供でも理解できるように彼女の持っている知識の一部をわかりやすく教えてくれました。

繰り返し説明しているうちにひらめくものがあったようで、母親は父親に内緒で論文を書き上げ、修哉が9歳の時にアメリカの学会に送りました。しばらくすると自分がいた研究室の教授だという人が大学に戻るようにと説得に来ました。

母親は子供がいるからと断ったが、夢は絶ちがたかったようで、無理に抑えた気持ちは僕に向かってきて、暴力を振うようになってきました。しかし母を憎いとは思いませんでした。「感情を爆発させた夜は自分の所にきて「ごめんね、ごめんね」涙を流し続けていたのだからと。たった一人の愛する人を自分の存在により苦しめていることが辛くてたまりませんでした。

死にたいと思い、死に方を考えているうちに離婚が成立して母が出て行くことになりました。

別れの前日ショッピングセンターに行き、最新式のゲームと何十冊もの本を買ってくれました。「今は難しいかもしれないが、中学生くらいになったら読んでね」とドストエフスキー、ツルゲーネフ、カミュなど、あまり面白そうな本ではなかったが、同じ血が流れている、その言葉だけで十分に思えました。

父親が再婚し、子供が生まれたとき、彼の勉強部屋を祖母のところにつくってくれました。そこは電気製品などの置き場にもなっていたので、いろいろなものをつくってたり、少し早いと思ったが、母親が買ってくれた本を読み始めました。

しかし、母親に会いたい気持ちは募るばかりで、何か大きなことをして母親の注目を集めようとホームページを作って、盗難防止用のびっくり財布を作り全国大会に出展、3位に当たる特別賞をもらうことが出来ました。

入賞者には審査員が一人ずつコメントをくれたのだが、それが母親の大学の瀬口という教授だったのです。母親に伝わるのではないかと電話を待っていたが、ついに電話はありませんでした。

そして、次に思いついたのが、愛美ちゃんを殺すことでした。自分が殺人者になれば、母親がきてくれると思ったのですが、事故死として片付けられてしまいました。

そして、エイズの血液を牛乳に入れたと先生が言ったとき、エイズになれば、母親に会えると思ったのです。エイズが分かるのは3ヶ月後であり、それがとても待遠しい思いで待っていると陰性の通知が来ました。

「教室にいじめがあります」と書いたのが委員長の美月だと思われて、修哉と一緒にいじめられて、唇をつけされてしまいます。修哉はエイズの結果がきて陰性だったっことを教えようと美月を呼び出しますが、美月に知っていると言われます。

美月がいろいろな薬品を集めているのに興味を抱いた修哉は美月を呼び出し、エイズにかかっていないことを告げた後、一緒に勉強部屋に行きます。何度か行くうちに嘘発見器を作ったと知ると、それで借り、先生に本当に心配して直樹の所に行っていたのかと聞くと間の抜けたような音が鳴りました。

美月は修哉の所に毎日来て、パソコンを叩いていました。それが文学賞に応募するためと知ったのはその作品を送った後でした。

美月は寺田先生を憎んでいたので、理由を聞くと直樹君を好きだったからと言われ、今は淳也も好きだと言うが、自分と直樹を同列にされていることに腹が立ち、ルナシーかぶれのことも馬鹿にすると「マザコン」と言われ、何故会いに行かないのと責められたとき、彼女の細い首を絞めてしまっていました。

そして、すべての決着をつけるために母親の大学に行くと教授が出迎えてくれました。教授は母親と結婚して子供が生まれる予定だと言うのです。それを母知って連絡を待ったのですが母からは、何の連絡もありませんでした。

その後母親への復習のために大量殺人の計画をたて、ウェブサイトに遺書を書きました。作文を演台にたたきつけ、発信ボタン、爆弾のスイッチを押したのですが、何も起きません。

第6章 伝道者

そこに森口先生から電話が入ってきて、愛するママへのラブレターを読んだこと、それによって修哉の生い立ちから、母親を慕う気持ち、何か大きなことをすれば母がきてくれるのではないかと思い、愛美を殺そうとしたことなどを知ったようです。

また美月を殺したこと、牛乳にエイズの血液は入っていなかったことなどを知っても決して森口先生は許せないと言いました。

また、美月からの手紙も読んでいたし、担任だったの寺田先生は、「世直しやんちゃ先生」の教え子だったことも分かり、いろいろと話を聞いていたと言うことです。

そして、ウェブサイトで爆弾を仕掛けたことを知り、それを母親の研究室に設置したことなど話し、サイレンの音が大きくなってきたからと言い、美月ちゃんのところにも修哉の所にも警察が行くでしょうと言います。母親の研究室は爆破されるでしょう。スイッチを押したのも、爆弾を作ったのもあなたであり、これが本当の復習である事、更生の第一歩だとは思いませんかと。

『告白』を読んだ感想

この映画を見て「サスペンス」に分類されていることに違和感を感じ、本を読んでみようと思いました。

そして、あらすじは短く書こうと思っていましたが、かなり長いあらすじになってしまいました。

親子の関係の大きさを、子供の立場からと親の立場から書かれていて、肉親という立場の難しさ、複雑さはこれほど大きいものなのかと改めて感じました。

子供を持たない人以外は、どちらの立場も経験するわけですが、愛とと憎悪は何よりも大きく、他の人の思いなど受け入れられないのだと言うことの怖さを知ることになりました。

最後まで救われることのない感情は、いつまでも心に残り、暗い闇の中に置き去りにされたような数日を過ごしました。

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