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本・読書感想

『おとなの教養 私たちはどこから来てどこへ行くのか?』 池上彰著ー過去に学ぶことが必要

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『おとなの教養 私たちはどこから来て、どこへ行くのか?』は、現代の教養とはすぐには役に立たなくても、社会に出て、やがて有効に働くようになることだと書いています。

それは「自分自身を知る」ことこそが現代の教養だとして、「現代の自由七科」としてまとめています。

  1. 宗教
  2. 宇宙
  3. 人類の旅路
  4. 人間と病気
  5. 経済学
  6. 歴史
  7. 日本と日本人

これらの七つについて宇宙が生まれた時までにさかのぼり、とても難しいことをこれほどわかりやすく書いている本を私は初めて読みました。

その中で、今まで学んできたものがかなりあやふやだったことや、歴史は勝ったものがものが残した記述であり負けたものの記述は残っていないという視点から歴史を考えたことがなかった私には目から鱗のようことが多くありました。

ほとんどの国、そして個人も自分中心に世の中が動いていると錯覚しているのが現状だという事を肝に銘じて様々なことを見つめ、考えていかなければならないのだろうと思いました。

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池上彰著 『おとなの教養 私たちはどこから来てどこへ行くのか?』 ー過去に学ぶことが必要

二一世紀は、二十世紀よりマシなのではないでしょうか。

これは進化と呼べるのか。歴史に学ぶことができた点で、進化と呼べるのでしょう。

このように考えて、私は人類の未来を楽観しています。もちろん、過去に学んでいれば、との保留付きですが。

改めて問います。私たちは、どこへ行こうとしているのか。その進路を決めるのは、私たちです。

おとなの教養 私たちはどこから来てどこへ行くのか? 終わりにより

理系の学生と文系の学生の知識の偏りの溝の深さを改めるために東京工業大学で「リベラルアーツセンター」の教授の職を引き受けるようになったことについて、次のように言っています。

「社会的な視野が狭かったり、歴史のことを全く知らない、東工大の学生たちが、視野の狭い専門家になってほしくないと考え、教壇に立つことを決意しました。」

そして、今の学生の中には「オウム真理教」のことを全く知らない学生がほとんどだったという事にも私はショックをかくせませんでした。

オウム真理教がサリンを使い多数の人を殺し、加害者の中に東工大の学生もいたという事さえも、理科系のエリート学生は知らないといいます。

20年前の歴史も知らないで世の中に出てしまう恐ろしさを感じるとともに、すべての日本では大学以前に教えなければならない出来事だと思いました。

すぐに役立つことは、世の中に出て、すぐに役に立たなくなる。すぐには役に立たないことが、実は長い目で見ると、役に立つ。

文中跋 慶應義塾大学の塾長だった小泉信三さんお言葉

宗教

地球の周りを太陽や月、星が動いていると思っていた古代の人々は人知を超えた存在は神がつかさどっていると考えたようです。

地球も住む場所により気候風土が違うので、その風土ごとにたくさんの神が生まれました。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教などの一神教は砂漠から生まれた宗教です。砂漠は日照りが続いただけで、人間は死んでしまいます。

そのようなところに生まれた神はとても強く厳しい神でなければならないために唯一絶対の神が生まれたといいます。

それに反して、日本やインドシナ半島は自然のありとあらゆるところに神がいると信じられました。

自然が豊かな土地だから生まれたのが多神教だといいます。

熱帯である南アジアのインドなどは大変な暑さの中で、多くの生き物があっという間に死んでしまうが、一方で自然が豊かなので、次々に新しい命が生まれてきます。

そのようなところに生まれたのが「輪廻転生」という発想のもとに「ヒンズー教」や「仏教」が生まれています。

そのように生まれた宗教も時代が進むにしたがい、大きく変化していきますし、現在でも新しい宗教が生まれています。

私たちが目にする、旧約聖書、新約聖書をもとにしてもたくさんの宗派や宗教があり、仏教もインドで生まれたのにも関わらず、インドには仏教徒が少なく、中国にわたり、日本で持ち帰った経典が様々な仏教の宗派を生んでいます。

それらを経典と照らし合わせ、どのような経過を経て現在のような宗教に変化してきたかをとてもわかりやすく書いています。

知っていると思っていたことも「なぜ、どのようにしてそうなったか」を知ることでものを見る目が変わってくるように思いました。

知識として知っているのと「なぜ」と考え紐解くことの大切さを教えてくれるのが池上彰なのです。

宇宙

コロンブス、ガリレオ・ガリレイなどによって地動説が唱えられ、十七世紀にアイザック・ニュートンにより「万有引力の法則」が導き出されますがキリスト教は認めなかったようです。

コペルニクスはカトリックの司祭だったために死後に著作が発表されるようにしていましたが、それに賛同したブルーノというイタリアの哲学者は投獄された末に火あぶりの刑になり、ガリレオも宗教裁判にかけられ地動説を捨てるように命じられたといいます。

そのように宗教と科学は難しい問題を抱えていますが、日本の科学者は無宗教ゆえに自分の研究を意味づける何かが欲しかった人たちがオウム真理教に走ってしまったという側面もあるのではないかといい、宗教と科学は私たちが思っているほど、相反するものではないといいます。

その後ハップルが「宇宙膨張説を唱え」たことから、その後の宇宙の誕生が百三十八億年前であり、地球が生まれたのが四十六億年前という事まで突き止めました。

気の遠くなるような宇宙の誕生をわかりやすく説明する能力は「NHK時代の子供ニュース」を見ていた時から感じたものです。

人類の旅路ー私たちは突然変異から生まれた

今では誰でも知っているように、生命が誕生したのは約四十億年まえで海で誕生したと言われています。

人間の体内の塩分濃度と太古の海水の塩分濃度が同じだというのですから驚きです。

海で生まれた生命は陸上に上がり、陸地で様々な植物や動物が生まれますが、人間は様々な動物が進化した結果誕生して、人類は進化の頂点に位置するが、進化とは劣ったものから優れたものへと進化することではないといいます。

ダーウィンの「種の起源」によると、様々な生き物は突然変異を繰り返している。」という事になります。

地球は氷河期、煮えたぎるような状態の時代もあり、時代によって気象は大きく変化してしているわけですが、その時たまたま突然変異を遂げた生き物が生き延びることができました。

変化する環境の中で生き残ることができた生き物が私たちのご先祖様だという事です。

人類の直系の先祖であるホモ・サピエンスは40万から25万年前に生まれたといいますが、なぜそのようなことがわかるのかは科学的な根拠をもとに説明して納得させてくれるのが、池上彰です。

住んでいる場所による肌の違いが、どのようにできたのかもかなり詳しく書かれていています。

人間と病気ー世界を震撼させたウィルスの正体

この章は進化の過程で起きるようになった病気のことから、猛威をふるった、また現在でも恐ろしい病気の一つであるインフルエンザについて詳しく書いています。

インフエンザウィルスも突然変異を繰り返して、現在も私たちを苦しめています。

経済学-歴史を変えた四つの理論とは?

古典派経済学「アダム・スミス」、マルクス経済学「カール・マルクス」、ケインズ経済学「ジョン・メイナード・ケインズ」、シカゴ学派「ミルトン・フリードマン」に至る四つの理論について書いています。

歴史を変えた四つの理論を詳細に説明していますが、マルクス経済学は「資本論」が書かれた時代にかなり支持されて、日本人の知識者層の方に読まれ、太平洋戦争時には取り締まりを受け、投獄された小説家など知名人がたくさんいました。

そのくらい、経済概念が新しかったのですがもろくも崩れたのは、理想の社会主義がどういうものか、どうすればそういう社会が作れるのかがわからなかったことによると読み解いています。

歴史ー過去はたえず書き換えられる

歴史はそこに住んでいる勝者によって書かれたもので、真実とはかけ離れていることが多いという事を知ったのが驚きでした。

私たちが習う、世界史はヨーロッパを中心にした歴史であること、国によっては自分が住んでいる歴史しか学んでいないことを考えると世界はかなり複雑だと思いました。

そして、中国、韓国、北朝鮮に至っては第二次世界大戦後の歴史がかなり曲げられていることを知り驚きました。

日本の歴史も私たちが学び、信じていたものが実は真実がわからないと言われている聖徳太子については不勉強で知りませんでした。

紙幣に顔写真が載っていた聖徳太子は、いなかったのではないかという事がわかったとのことですから、歴史は疑ってかからなければならないことが多く、いつ書き換えられるかわからないものだという事です。

歴史は勝者の歴史であるという事を知ったうえで謙虚に学んでいかなければならないもののようです。

日本と日本人ーいつどのように生まれたのか?

日本に国籍というものができたのは明治初期であって、それまでは国籍という考え方がなかったのです。

朝鮮半島からたくさんの人が来て、日本に住み着いたという歴史もあります。彼らは「帰化人」という言葉でいつしか日本人として認識されるようになっていきました。

奈良県のナラというのは国という意味を持つ朝鮮語です。

そのことから、朝鮮から渡って来た人たちが、あの場所「奈良」と呼ぶようになったという説もあるといいます。

日本人はいろいろな民族や人種が混ざり合って、今の日本人が生まれているようです。

日本、日本人というものの実態は、過去にさかのぼるとあやふやになっていきますが、他者との関係から自分・自国というものを認識していくもののようです。

私はリベラルアーツ七科を読んで、昔、習った歴史が変わっていること、また歴史の中で深く考えたことのなかったことを知ることにより、少し世界の情勢がわかったように思いました。

池上彰さんはたくさんの本を書いていますが、みなさんにお勧めできる本だと思いました。

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