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認知症で90代男性死亡事故で80代妻にJR東海側に350万円の賠償を求めた裁判について

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認知症で90代男性死亡事故で80代妻にJR東海側に350万円の賠償を求めた裁判は今年のニュースでかなり違和感を覚えたニュースであり、忘れてはいけないと思い記しておこうと思いました。

認知症の90代の夫の徘徊を「監視不十分な点があった」と80代の要介護1の妻に賠償責任を求めるということがどのようなことなのか、裁判官は分かっているのだろうかというのが私の思いです。

認知症という病気がどのようなものなのかわかっていたら、このような判決は起きなかったと言わざるを得ません。

高齢化が進むことにより、認知症の問題は社会問題として捉えていかなければならなくなっています。

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認知症の90代男性の介護は80代の妻ができるのだろうか

人それぞれで、高齢になっても元気な方は多いと思いますが、90歳にもなれば耳も目も弱っている方が多いだろうと思います。

そのような方が認知症にならなければ、家でじっとしているのが普通かもしれませんが、認知症という病気のために、持てる以上の力で外に出てしまうことが多いのです。

これは経験した人しかわからない不思議な力というものがあるようです。

母は93歳でなくなりましたが、1年くらい前までは手押し車を押して出て行ってしまい、そのへんに転んでいたり、車に接触したりしていました。

母の場合は老人性うつ病で、寂しくて家にいることができずに人が居る家をめがけていくので、認知症ほどではありませんが、どんなに寒い冬も、どんなに暑い夏も出て行ってしまいました。

私はかなり遠かったためにとっても心配でしたが、毎日通うことはできませんでしたが、病気以前の体が丈夫な時よりも出て歩いたと思います。

出かけないように監視するには、四六時中そばにいなければならず、至難のわざとしか言いようがありませんでした。

それを回避させるのは身内の力だけでは到底無理で、私も母に1日付き添っただけで次の日は寝込んでしまうほどでした。

母の認知症は物忘れぐらいでさほどひどくはありませんでしたが、寂しくてひとりでいることができない問題はとっても大変でしたが、家族が理解するということも困難な状態でした。

そのような状態の母を抱えていた時に聞いたニュースだったのでとてもびっくりしました。

認知症徘徊の問題にこのような判決が下りるのですから、これらの問題をどのくらい国は考えているのかとても疑問に思いましたし、裁判官が認知症という病気を理解していればこんな判決は起きないだろう思いました。

事件が起きた時には精神異常者を見分けるために精神鑑定が行われ、罪に問われないという制度があるのに、80代の要介護1の妻に賠償を求めて裁判は今後どのような判例となっていくのか考えただけで寒々とした思いになりました。

私には給料をもらって介護に取り組んでいる地役包括センターなどの問題の方が大きいと思われてなりません。

認知症の人の内面をどれだけ理解できるのだろうか

母の時もケアマネージャーさんに私は何度もお話しましたが、老人性うつ病で寂しくてどうしようもない母もケアマネージャーさんがきて話していれば受け答えはまともで見た目はさほど悪いとは思えない状態になるので、本当のことは最後までわかってもらえませんでした。

母の場合はひとりでおいていかれることがほとんどで、私が行くと泣いて喜びますが本当の症状が分かっていたのは私くらいではないかと今でも思っています。

本当の寂しさはひとりの時ですが、ひとりの時の気持ちは誰にも伝わりませんし、表面だけしか見ない人達の中で孤立していくばかりだったのははっきりと分かりました。

私は時間をかけて、母の気持ちを聞き出し、それを家族やケアマネージャーさんに話しましたがわかってもらえませんでしたし、ケアマネージャーさんは老人性うつ病の症状自体もわかっていないのではないかと思うほどでした。

体の病気はかなりはっきりと分かるようになっていますが、内面の病気である老人性うつ病や認知症はよほど時間をかけない限り理解できないと思います。

母が一緒に暮らしていた義妹は、私が何か言うとどこも悪いところがないと最後まで言い張っていて、病院に連れていこうともしないので私がずっと病院に連れていきました。

腰が痛かったり、いろいろなところが痛かった母が、老人性うつ病になってからは痛いところがなくなったようでした。

私がよく聞くと頭がもうっとして気分が悪いと最初の頃は言っていましたが、寂しさはどうしようもないものの、体の痛みは亡くなる1ヶ月前くらいから胸が苦しいと言っていただけでした。

私には寂しさを和らげてあげることのできなかった悔いは今でも残っているので、そのような病気の方にせめて気持ちに寄り添った言葉かけくらいはしてほしいと思っています。

ましてや90歳代の認知症の夫と暮らしていた奥さんは大変だったことと思います。

どのような生活だったのか、どれほど「監視不十分な点があった」のかは私には想像もつきませんが認知症の家族と暮らしている方の大変さだけはわかってほしいと思いました。

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