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本・読書感想・映画

『日本が売られる』堤未果著|私たちが知らない間に決まっていく恐ろしいこと

2019年2月13日

国際ジャーナリストの堤未果氏の著書です。2018年9月にあとがきを書いているので、それ以前のことが書かれていることが分かります。

私は出版当時から読んでみたいと思っていましたが、購入したのは、2018年12月30日、第十一冊発行ですからかなり読まれている本のようです。

私もここ数年の、世界と日本で起きている状況にかなり関心を抱いていたので、少しは新聞やネット、国会中継などから知っていることもありましたが、それが世界中で起きていて、日本がターゲットにされていることの恐ろしさを感じました。

国際ジャーナリストである著者は『貧困大国アメリカ』シリーズの取材で出会った、26歳のイラクから帰還した元米軍兵の「イラクにいる時、あの戦争がテロ撲滅ではなく石油のためで、米国民の生活を犠牲にして金儲けをしていると気付いた兵士もいたが、オバマ大統領が誕生すると有権者の多くは忘れてしまったという。

日本もここ数年、後から後から起きる不祥事に慣らされているマスコミは、政権を忖度してかニュースにもならないままに、数日の国会審議で国民の生活にかかわるような重大な法律が通過していくのを苦しい思いで眺めてますが、ほとんどの国民が自分が当事者になるまでは知らないままだろうと思います。

そのような思いで読んだこの本は、今の政治を是とする方も、非とする方も読んでおいた方がよいと思いました。

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第一章 日本の資産が売られる

「水道法」「種子法」改正が問題視されているのをネット新聞で読み疑問を持ったが、NHKのニュースでも新聞でも大きくは取り上げていなかったのではないかと思いました。

我が家も紙の新聞もとっていますが、そのような記事のほとんどはネットのニュースで知ることが多く、法律が通るまではマスコミが大きく取り上げることはないような感じでした。

水が売られる

日本は水と安全はタダという国だということを今まで疑ってきた人はいないと思います。しかし、水道民営化法案は、各自治体が水道を所有したままに運営権だけ海外などの民間企業に売る自治体なども出てきています。

海外ではかなり前から水道民営化になっているところもあるようですが、水道料金が高くなりすぎて自治体に戻しているところもあるようです。日本がなぜ水道まで民営化するのか国民の多くは知らないままに2018年7月5日、国会で法案が通ってしまいました。

土が売られる

水道事業を行っているヴェオリア社は放射能ビジネスにも乗り出す計画をし、福島第一原発事故ででた放射能廃棄物のうち8,000ベクトル/㎏以下の汚染度を、公共事業用に再使用することに正式に決定したという。

世界でもかなり緩い基準値のその汚染土を公共施設の建築に使うという、日本政府のアイデアに他国の線量が高すぎて処理できない廃棄物が日本に入ってくる可能性があると聞いただけで、背筋が寒くなります。

もちろん、その用土の上には健康の被害を考えて盛り土を使うというのですが、それは地下水の汚染につながるということを環境省は分かっているのだろうかという。

種が売られる

森友問題の陰に隠れてほとんど国民が気づかなったこの法案の名は、「主要農産物種子法」です。

日本人の主食である「米、麦、大豆」という主要農産物がどんなときにも安定供給できるように、それらの種子の生産と普及を国の責任とした「種子法」を導入していたがそれにはコストがかかるので、「種子の開発予算」は都道府県が負担するようになっていました。

この法律によって種子は「日本の公共資産」として大切に扱われ、47都道府県の推奨品種だけで300種以上お米が出来ていたようです。農産物の種類が多いことは、万一の災害が起きても、他の地域に別の品種が生き残れば、主食が手に入らないという国レベルの惨事は防ぐことが出来ました。

しかし、種子法が廃止されて、今後、農家は民間企業の高い種子を買うことになり、日本の主食であるコメの値段も上がっていくことになるという。

2017年4月14日種子法廃止と同時期に導入されたのが「農業競争力強化支援法」です。それは今まで日本の都道府県が蓄積してきた「共通種子の開発データ」を、民間企業に無料で提供するという内容です。

これはTPPにそっていて、種子そのものが、国民の腹を満たす物から、巨額の利益をもたらす商品と化し、世界的なマネーゲームとなってしまったのです。

TPPが問題化したころは、メディアも大きく取り上げ、国民にも問題意識は共有されていたように私も思いますが、その後は政府に忖度したメディアが大きく取り上げなくなり、ほとんどの法律は国民が知らないまに通ってしまうか、与党の賛成多数で、政府は通してしまうようになってしまったことの危機感を感じながらこれらのことを読みました。

私も、遺伝子組み換え大豆などが大量に日本に入ってきた当時は、遺伝子組み換え食品を避けるようにしていましたが、細かな文字が見えなくなるようになって、あまり気にしなくなってしまいました。

種子法廃止が導入されましたが現在は、新潟県、兵庫県、埼玉県で県独自の「種子法」を導入するなどの動きが始まっているようです。また、2018年4月19日、6野党と会派が「主要農産物種子法復活法案」を共同で出すなど改善に向けての動きもあることから、食の安全を守る法案が出来ることを願っています。

ミツバチの命が売られる

厚労省が、ネオニコチノイド系農薬であるクロチアニジンとアセタミプリドの残留農薬基準を大幅に緩和しました。その大きな効き目は、農作物、松枯れ対策、ペットのノミ駆除薬に入れたりと使用量は10年で3倍に増えているようです。

日本は1位の中国、2位の韓国に次いで世界3位の農薬使用国だといいます。日本で農薬を多く使用しているという話は聞いたことがあるが、これほど多いとは考えてもいないことで驚きを隠せませんでした。

その農薬の結果蜂がいなくなり、ロボットミツバチがつくられているという、笑うに笑えない深刻な状態に日本はなっているようです。アメリカの言うことはなんでも守る日本はどんどん残留農薬の基準を緩和しているようです。

食の選択肢が売られる

ネオニコチノイド系農薬もグリホサート除草薬も遺伝子組み換え作物と切っても切れない関係で、遺伝子組み換え種子はネオニコチノイド農薬で処理され、雑草を枯らすためにグリホサート除草薬がかけられます。

私たちも知っていたように、以前は遺伝子組み換えでないと表示されていたものもあるが、2018年3月28日消費者庁が「遺伝子組み換え食品表示制度に関する検討会」で、今までは混入率5%未満で表示できたのが、0%でないとできないようにしたのです。

これほど遺伝子組み換え食品が出回っている中0%にできるものはほとんどないということで、表示ができにくくなってしまったため、今後は表示が減っていくことと思われます。

日本人が大好きな魚も遺伝子組み換えが行われていて、外食には表示義務がないため、レストランや回転ずしなどでは全く分からないまま食べることになっています。

次は安全性の確立していない、ゲノム編集食品も栽培始めているようです。作者は「食の主権」を奪われないためには、成分表示という情報公開は不可欠であると訴えています。

牛乳が売られる

2017年7月17日、EU代表と日本政府が署名した日欧EPAについて、日本は8項目で関税ゼロを約束、チーズなどの乳製品はTPP交渉よりも大きく譲ったために、これからは安い輸入品が安く入ってくるほか、アメリカとは二国間貿易条約について、アメリカからも大量の乳製品が入ってくることになります。

その結果、北海道の酪農家はどんどん減っていかざるを得ません。海外の補助金で守られた輸入乳製品と政府補助金が減らされていく日本は競争しなければならないようです。

ここまで読んで、地方を豊かにすると掛け声だけの政権は何をしようとしているのだろうかと疑問を抱かざるを得ません。

日本は遺伝子組み換え、成長ホルモン入りの乳製品を選ぶことが出来るのだろうかと疑問を呈しています。

農地が売られる

2016年4月1日、日本の農地を海外に売りやすくする「農地法改正」が施行されました。

それまでは、日本の農地の売買はかなり厳しかったのですが、2016年日本で買われた土地は202ヘクタール(ほとんどが北海道)で、前年の3倍に増ええいたということです。北海道では東京ドーム400個分、の土地が中国に買い占められ、沖縄でも国が借り上げている米軍用地の10分の1がすでに中国資本による所有だという。

日本で土地を買うと、他国では絶対あり得ないおまけがついてくるというのです。

法人を設立して、スタッフを2人置けば「管理者ビザ」がおり、10年たてば、永住権まで取得できるという。日本の将来はどうなっていくのだろうかとこのような問題に疎い私でも危機感を覚えます。

TPPが、発効したら、もはや日本人の資産を守る政令さえ出せなくなるといいます。

森が売られる

2018年5月、「森林経営管理法」の法改正が行われ、自治体が森林を所有する住民の経営状況をチェックして、「きちんと管理する気がない」とみなされたら、どこかの企業に委託してその森林を伐採できるようになります。

所有者の意向に関係なく、市町村や知事の決定があれば、樹齢55年以上のものはすべて伐採できるという。ここまで政府が関与できるとは驚きを通り越して、怒りさえ覚えます。

もしこのようなことが本当に行われたら、山からの土砂崩れで、台風や大雨のたびに起きる自然災害はとどめることがないだろうと思われます。大雨の後に山道を車で歩くと、土砂崩れの跡がかなり見受けられます。

政治家や役人はもっとそれらを見て歩くべきではないかと思います。これほど多くのことを政府が決めていることをほとんどの国民が知らない現実は政府のみならず、メディアの責任が重いことを私は感じざるを得ません。

海が売られる

林業は国有林を企業に企業に開放し、水産業は養殖ビジネスに企業が入りやすいよう、漁協が管理する漁業権を民間企業に開放するという規制緩和のワーキンググループが立ち上げられました。農業の専門家も漁業の当事者もいないメンバーでは反論も出ず、「林業は2017年中に結論を出して実行、漁業は2017年に検討を始めて2018年に実行する」というスピーデイな工程法がつくられました。

この法案は2018年 12月 8日野党の反対の元強行採決されました。2019年にTPPが発効されると「漁業権」は入札制になり、日本の漁協が資本金で太刀打ちできない大手外国企業も参加するオークションの「商品」になるようです。

築地が売られる

カジノ法がが衆議院内閣委員会で強行採決された日の午後、「卸売り市場法改正」が成立しました。これは公設卸売市場の民営化です。

これにより、入荷した品は市場の中だけで取引するというルールも廃止され、市場の外でも売ることが出来るようになりました。

実際この方法でネット販売する業者が増えたことによる仲卸業者の廃業が問題になっていたが、政府は公的な役割を果たす卸業者を立て直すより、コスト削減を望む企業利益を優先させたようです。

需要と供給のバランス、品質で適正な価格をつける仲卸業者がいなければ、すべての取引は価格だけになってしまうと言います。

世界が、そして日本が新自由主義で動いていくこの時代の中で、私たちに突き付けられた問題は何なのだろうかと考えさせられました。

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日本の未来が売られる

日本人の資産が売られるを読んで驚きと不安を感じましたが、未来まで売られることになってしまったようで下記にその主なものを書いていこうと思います。

労働者が売られる

国内の過労死件数は年々増加しているようですが、2018年5月31日厚労省がデータ捏造などなどの数々の不備が野党によって指摘されたにもかかわらず、自民党の絶対多数で「働き方改革法案」が可決されてしまいました。どのような問題点があろうとも、出した法案は多数決で可決されることが通常化してしまった現政権の元では人数において野党議員の数が少なすぎるのです。

政権はこの法案の問題点は明らかにしないままに国会で通過させてしまいましたが、かなりの問題点が、専門家によって指摘されています。特に「高度プロフェッショナル制度」は極めて危険な内容だと専門家も指摘しています。

この本を読んでいただければわかるように、政府が「時間ではなく、成果で評価されたい人のニーズに合わせて作った法律です。」と言っていたが、総理が「労働者のニーズではなく、経済界から制度創設の意見があったので作りました」と言っているように雇う側の要望で作った「働かせ方改革法案」だったようです。

時間ではなく、成果で働くことになるので、どんなに働いても、残業代は支払う必要のない働き方改革で、過労死さえつかむことの出来ない法案になっているようです。

そして政府が説明することは良いことばかりで、法案を読むと対象となる職種も決まっておらず、「年収1075万円以上」という説明をしているが、その金額はどこにも書いてないようです。

そして、「外国人労働者50人万人計画」があり、この本が書かれた後に、野党の反対にもかかわれず、国会で通過してしまったのです。

これによって企業は、今よりもっと人件費のカットが出来るようになると思われます。

日本人の仕事が売られる

女性が耀く社会を作り出すと国家戦略特区が動き出し、2015年7月8日、外国人労働者の家事代行サービスが解禁されます。

2015年、政府は介護士の給料を上げずに、9年ぶりに介護報酬を減らした結果、過去最多数の施設が倒産、中国系ファンドに次々に買い占められてしまいました。

2016年11月18日、竹中平蔵氏が毎回出席する国家戦略特区諮問会議の提案で、外国人労働者の受け入れ分野に、介護を加える法改正が成立しました。これによりアメリカ大手介護ビジネスチエーンや中国系ファンド、各種投資家によって人件費の選択肢が大幅に広がることになります。

外資の場合は、あらかじめ自社の社員として雇ってから日本の現場で安く働かせることが可能となり、外国人技能実習制なら最低金額で雇うことが出来ることから、日本人の介護士の給与も引き下げられることになります。

この本が発売されたのちの、2018年12月8日、 外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正出入国管理法(入管法)が、8日未明の参院本会議で採決され、自民、公明両党と日本維新の会、無所属クラブの賛成多数で可決、成立してしまいました。

ブラック企業対策が売られる

「高度プロフェッショナル制度」の導入、「外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正出入国管理法」が成立して、今より過酷な状況の中で働くことになる労働者を守るのは、「労働基準監督署」であるはずだが、これも民営化にするということです。

もはや歯止めのない働き方を強いられる労働者の将来が心配される状態になってしまったのです。

ギャンブルが売られる

2018年7月20日、221人の死者と行方不明者を出した平成30年7月豪雨災害の被害者が避難所で苦しんでいる中、「被害対策を優先しろ」という野党の声もむなしく、「日本にカジノを中心とした統合型リゾートを設立することを可能とするIR実施法」参議員本会議で設立しました。

政府は、国内外から資産を呼び込み、多くの外国人客の利用で日本の財政をさせると説明してきたが、誘致する側の自治体の試算では、来訪予測人数は8割が日本人だと言います。

カジノ設立で運営業務を引き受けるのは外資を中心とした大手エンターテインメント業界の面々とウォール街の投資家のようです。おまけに320万人のギャンブル依存症を抱えている日本にこれ以上の患者が増えれば、本人や家族が貧困になり、そのしわ寄せは、税金として普通に働いている人々に税金としてギャンブルをしない人の肩にのしかかってきます。

おまけにギャンブル資金は高利子でカジノ業者が貸してくれると言います。どのようなギャンブルでもしたことがある人なら、歯止めがかからなくなるのは火を見るよりも明らかだと思います。

学校が売られる

大阪市教育委員会は、2019年4月に、民間学校法人である大坂YMCAに公立学校の運営を委託する「公設民営学校」南区ポートタウンに開設することを決定しました。日本の「学校境域法」では、公立学校は自治体が運営し、そこでの教育は公務員が行うことになっているが、国家戦略特区内で設置された公設民営学校は、水道と同じで、自治体が所有し民間が運営します。

大阪府の非正規雇用率は、現在中学だけで41.3%だが、公設民営学校で働く教職員と事務員は100%非正規労働者になります。公務員ではないので、憲法第99条の「憲法尊重擁護義務」も適用されなくなり、教員の身分も保証されず、成果が上がらなければ解雇される不安を抱えなければなりません。

これで、子供を健やかに育てることが出来るかとても不安になります。国家戦略特区という名のもとに民営化されて行くとき、日本の雇用形態と憲法の理念からずれていくように思えてなりません。

医療が売られる

国民皆保険である日本は恵まれていると思っていたが、保険料は年々増加しています。その陰にあるのは医療を受けるために海外から留学生や会社経営者としてくる人たちが使う医療が増大していることにあるということです。

また、アメリカから買わされる高額な医療機器や薬品が多くを占めていることなど私たち国民は何も分かっていません。高齢化社会で医療費が増加しているからと保険料が高くなていることに疑問も持たずに年々高くなる保険料を支払い続けている国民はこのような現状を知ることが大切だと思わされます。

「外国人労働者の受け入れ拡大に向けた改正出入国管理法」が成立して、より多くの外国人が入ってきて、家族を呼び寄せることになれば医療費の拡大は類を見ないことになりかねません。

国会審議をかなり見ていますが、政府のしていることは、長い将来のことはほとんど考えていないように見えます。

老後が売られる

少子高齢化社会の日本は介護保険を支払い、老後は安心して暮らせるというキャッチフレーズの元介護保険料制度が出来ましたが、介護料は上がるばかりで、実際にどの程度の介護を受けられるかは見通せなくなっています。

箱モノは自治体の公金で立て、政府が介護施設に支払う「介護報酬を」どんどん減らしているために、介護施設はどんどん倒産、ベッドはあるが職員はいないという状態が続いているようです。

重労働の介護職員の給料が安いことに原因があるのですが、海外からの労働者を入れても言葉が通じないリスクは大きく、仕事のきつい介護現場は外国人労働社も集まらないようです。

そのような状態の中「国家戦略特区」のひとつである東京都豊島区は、介護保険と保険外サービスを組み合わせて使える「混合介護」の実施と、その際に参入する東京電力など9つの事業者を八評してという。

介護保険を使えるサービスと使えないサービスの線引きも難しいようだが、介護業者は報酬の少ない保険対象サービスを使うだけの客より、100%自己負担の保険外サービスを沢山利用してくれる経済的余裕のある客を増やそうとするでしょう。

国民皆保険制度において、医療従事者たちが混合診療解禁にずっと反対してきたのも、混合診療にしてしまうと、公的保険診療より自由診療が増え、受けられるサービスに格差が出来てしまうことによります。

今後、金銭的余裕のある人しか、介護サービスが受けられなくなってしまう可能性に私たちは声を上げなければならないと思わされます。

個人情報が売られる

2017年11月2日、内閣府と総務省は住民票や生活保護、幼稚園や保育園の申請などが「LINE」を通して、マイナンバーカードをスマホにかざすだけで行政サービスと連動するマイナポータルを通し簡単に手続きができるようになります。

来年以降は年金や税金の支払いも出来るようになるようです。しかし、民間企業に個人情報を提供するリスクを考えなければなりません。日本は、プライバシーの危機意識がゆる過ぎるようです。

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売られたものは取り戻せ

これまで世界で起きてきた新自由主義で民間企業に売られた問題を書いてきましたが、それらの反省から世界はどのようにそれらをとり戻しているかを考えて見ます。

お笑い芸人の草の根政治革命―イタリア

2018年7月、イタリアのマッタレッラ大統領は「五つ星運動」の幹部リカルド・フラカーロ氏をイタリア初の直接民主制担当大臣に任命しました。「五つ星運動」は2人のお笑い芸人が始めた政治運動で、若者の絶大な人気を集め8年で政権をとったのです。

SNSやカフェ、学校などで話し合いを持ち、地元ののことは政治家に丸投げせずにそこに住む当事者である住民たちが決めること。そのために、自分たちの中からどんどん代表を議会に送り込みます。

選挙資金は専用アプリで少額の寄付をたくさん集めていき、特定企業や大口スポンサーに忖度する状況を作らないようにすることなど工夫されています。

日本でも2018年の春から廃止された種子法を、自分たちの地域だけでも元に戻そうと行動を起こしている自治体が、少しずつだが増えているようです。「五つ星運動」が目指しているように、イタリアでも日本でも行動を起こし始めているようです。

92歳の首相が消費税廃止―マレーシア

2018年6月1日、マレーシア政府は尚府税を廃止しました。前月9日に下院選で勝利したマハティール首相率いる政権与党が経済安定化政策して「政権交代から100日以内の消費税廃止」という公約を掲げていたからです。

短期資本の取引を規制し、内需拡大によって国の立て直しを図り、通貨を固定ルートにし、金利を下げて公共事業に予算を投じることで国内雇用を改善していったようです。

1991年10月に香港で行ったスピーチで「日本に学べ」言っていたマハティール首相。今度はマレーシアに学べというべきではないかと書いています。

有機農業大国となり、ハゲタカたちから国を護る―ロシア

プーチン大統領は2020年までに食糧需給率を100%を達成すると自国議会宣言しました。ロシアは農場は広大でも、それを生かせるだけの家畜の数も技術も追いついていないようです。

政府が国策として、食の安全を掲げてからというもの、ロシア国内の農業は近代化し、遺伝子組み換え食品を嫌うヨーロッパなどを対象に、ハイテク有機野菜乳製品、主要穀物の輸出国として頭角を現すようになっているというのです。

遺伝子操作でなく、ロシアという土地の風土や気候条件に合った自産地の種子の方が、完成までに10年かかったとしても害虫に対する抵抗力も強く、収穫量を増やすだろうと言い、遺伝種操作でなく、他の品種との交配を繰り返すことで同じ特徴を出す、ハイブリッド種子開発に着手しました。

国民の健康を守り、環境に優しい、国産非遺伝種種子に、ロシアは未来をかけることにしたようです。

巨大水企業のふるさとで水道公営化を叫ぶ―フランス

2009年グローバル水企業ヴェオリア社とスエズ社の本拠地、水道民営化のパイオニアとと呼ばれるパリで、25年続いた水道事業の民間委託に終止符が打たれました。

民営化以来、パリの水道料金は倍以上に跳ね上がり、悪くなる一方のサービスに住民の不満が止まらなくなったといいます。水道管工事は同社傘下の子会社が受注するため競争は存在せず、費用は常に割高で設備の老朽化が進んでいきます。

市は25年前に売却した水道事業の株式を買い戻し、市が100%出資する「市の水公社」を設立、2010年年1月から、パリの水道を正式に公営の戻すことを決定します。

公営化されたことで、外から見えなくなっていた財政内容や投資計画などもすべて市民に公開され、パリの水公社はこの結果、約45億円のコスト削減を達しているという。

生命や暮らしに欠かせない水道は、安く提供し続けるにはもうけなくていい公営にしておかなければならないと気が付きました。水道を公営化したことで、ごみ回収事業も公営に戻すことにし、コスト削減のためにゴミを出さないようにしようと市民全体で意識を変えたといいます。

いま、日本では世界の逆を行くように水道民営化法案が通り、民営化にしている自治体があるのはとても考えさせられることです。

考える消費者と協同組合の最強タッグースイス

2017年9月24日、スイス国民は憲法改正により、先進国で初めて「食の安全性」を書き加えたようです。中国との間で二国間貿易条約が結ばれ、南米との間でも二国間貿易交渉が続いていることから、関税が引き下げられれば、外国から安い輸入品が流れ込んでくるのは避けられないことの危機感からです。

人件費が高く、農家の数も減っているスイスでは、政府が国内農業を手厚く優遇し、消費者は外国製品より割高な国内農産物を買うことで、自国産業を支えています。

一度自由化を受け入れてしまえば、よほど国がしっかりしていない限り、なし崩しに国内産業が崩されていくでしょう。スイスには、スイス国民独自の食育と、協同組合のたゆまぬ努力があります。

スイスでは国民の8人に1人が生協に加入していると言います。

日本でも、全世帯の37%が生協を利用しているようです。農協、漁協、生協などがあり、私も数十年前から生協の組合員になって、多くのものを安心して購入できるシステムを利用しています。

生協は、冠婚葬祭、医療や保険など幅広い分野を担っており、安心感があるのが魅力です。

韓国でも、農業の価値に光を当てた力強い動きが起きているようです。

子供を農薬から守る母親たちーアメリカ

食べ物とアレルギーについての研究機関の調査によると現在アメリカの植物アレルギー人口は1500万人、うち600万人が18歳以下の子供だと言います。この傾向はヨーロッパにも広がっており、日本でも2005年に3人に1人だったアレルギー人口が、2011年には2人に1人に増えているようです。

全米各地の母親たちが遺伝子組み換え食品を拒否する運動「アムズ・アクロス・アメリカ」の創設者であるゼン・ハニーカット会長は、息子たちが様々な症状に苦しんでいたことから、ある日子供たちが食べている食品について調べ始め、小麦の収穫時や抗菌剤に使われる「グリサポート」を調べた結果、子供たちの体内に残留していることが分かりました。

そのことが運動を立ち上げたきっかけで、逆側からの誹謗中傷にも合うことになりましたが、製薬会社が多くの母親立ちに訴えられることになったのです。

2018年8月10日、カルフォルニア州で学校の校庭整備をしていたドウェイン・ジョンソン氏が、モルサイト社を相手取り、同社のグリホサート系除草剤でがんを発症したと提訴していた裁判で、勝訴しました。

食品の表示が緩くなっている日本の私たちも食について学ばなければならないことを知ることになりました。

まとめ

世界が新資本主義国家となっている中で、日本も政府や自治体がしてきたことを民間に任せるようになり、経済が国家の枠をはみ出すようになってしまっていることに危機感を覚えました。

国家戦略特区の元、あらゆる分野で大手企業が参入しやすいように法改正を行い、中小企業が切り捨てられてきたように感じます。そのため、第一次産業で働く人が生活できなくなり、富むものはますます富むようになった反面、多くの国民は不定期雇用で働かざるを得なくなっています。

福祉のために使うと言い、値上げした消費税だが、介護施設に支払う「介護報酬を」どんどん減らしているため介護職員や保育士の給料は給料は上がらず職員が集まらない状況で、ベッドは空いているが、入所したい人は入れないというような状況に陥っています。

こんな状況の中でも、作者は国民が立ち上げって、政治を良くしている国が徐々に出てきていると言います。

日本国民は政治に関心がない方が多いようですが、自分たちの生活を良くするためには国民一人一人が政治に関心をもって、政治家に働きかける必要があると作者は書いています。

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