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『私たちが孤児だったころ』カズオ・イシグロ著ー入江真佐子訳

イギリスでは2000年4月に発売、発売と同時にベストセラーになり、何週間にもわたりベストセラーが続いた作品のようです。

探偵小悦の黄金期というのがあり、この小説も探偵小説として扱われたということですです。

著者の長編小説としては5作目で、それまでに権威ある賞を立て続けにとっていて、当時のイギリスを代表する作家として知られていました。

それ以前の『女たちの遠い夏』、ブッカ賞ー賞をとった『日の名残リ』などは読んでいますが、それとは少し異なった小説で興味深く読むことが出来ました。

『私たちが孤児だったころ』のあらすじと感想

小説の時代背景のイギリスは社交界が華やかなころでしたが、この小説は中国が共産主義と傾き始め、日中戦争を経て、第2次世界大戦へと突入、戦後の厳しい時代へと移り行く時代を書いています。

中国国民党の孫分が納めていた時代から、毛沢東の共産党の時代にと大きく変化する中国でイギリス人のクリストファー・バンクスと日本人のアキラが子供時代を仲良く過ごしましたが、クリストファーの父母が行方不明になってしまい、孤児となってイギリスに戻ります。

『私たちが孤児だったころ』のあらすじ

父と母が行方不明になり、幼いクリストファー・バンクスはイギリスの伯母を頼ってイギリスに帰ることになりました。

イギリスではケンブリッジ大を卒業し、探偵になることに決めます。

探偵の才能があったようで、様々な事件を解決し、クリストファー・バンクスは社交界でも有名になり、様々な人たちと交流を楽しむことができるようになりますが、探偵になったのは、上海で行方不明になった父母を探すことが目的だったようで、あるとき上海に行き、父母のいるらしいところを探し当てますが、そこは日中戦争の戦場になっており、戦争の惨害の中を進むことになり、そこで怪我をしたアキラに会うことができますが、アキラは日本兵に連れ去られ、クリストファー・バンクスはイギリス大使館に送られ、怪我の手当を受けることができます。

そこで、子供の頃の使用人だったフィリップ小父さんに会うことになり、父と母が行方不明になったいきさつを事細かく知ることができます。

父は、母を愛していたが、ついていくことができなくなりほかの女性と出て行ってしまったが、2年後には亡くなってしまったと言うことでした。

母は力のある軍閥の1人だったワン・クーがの元に連れて行かれ、クリストファー・バンクスが何不自由なくイギリスの社交界で活躍できるようにしてくれたと言うことだったようです。

戦後、香港にいると分かった母に会いますが、母はもう息子のことも分からなくなっていました。

それでも、幸せそうにしている母は、ここで暮らすのが最善だと思い、クリストファー・バンクスはイギリスに戻ってきます。

孤児だったゼェニファーを養女にしていましたが、会いに行くことも少なく、母に会ってきた後に会いに行きます。

母はずっとわたしを愛し続けていたのだと言うことを、そして修道女たちに名乗らなかったのは、あそこから連れ出す理由もなかったし、母はあそこで満足そうだったから、それにイギリスに帰ってきてもあそこより幸せにはなれないだろうからとろうからと考えたと言います。

『私たちが孤児だったころ』の感想

カズオ・イシグロの小説は、歴史が分からないと理解できないと思います。

この小説にしても、探偵小説とはいえ、第2次世界大戦前夜の日本と中国の戦争、そして第二次世界大戦を挟んで、共産主義になって行った中国、母が移り住んでいた香港の様子が書かれています。

探偵になって、名前が知られるようになった、日中戦争のさなかを戦争のむごい中を父母を探そうとさまようのですが、見つけることがかなわなかったように、あの時代の日本と中国、イギリスの関係は複雑のようです。

クリストファー・バンクスは、アヘンで壊れていく人々を助けようとしていた母の姿を幼心に見ながら育ったのですが、時代は個人の力では及ばなくなっていたようです。

そして孫文が納めていた中国が、毛沢東により共産主義へと移っていく時代背景も描かれていて、詳しい知識のないわたしにも心が痛みました。

歴史を織り交ぜて、描く世界はわたしの感動を大きく揺さぶられました。

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