津軽塗の始まりは、江戸時代初期に遡ります。
津軽藩の藩主にめしかかえられた、漆器作りの職人が始めたと伝えられています。
津軽塗は、ヒバの木を素地に、約50の工程を経て完成します。
木地に布を張り、漆下地で丈夫な漆器の基礎を作り、この上に色漆を塗り重ね研ぎを繰り返します。
最後に上質な日本産の漆を用いて丹念に磨き上げ、堅牢で優美な塗りを作り上げます。
このような工程を経た津軽塗はとても魅力的です。
スポンサーリンク
青森県の伝統工芸品 津軽塗
重厚な塗りのほかの塗りのような文様を描くことはないので一見地味に見えますが、格調がありながら堅牢で他の木製品のように気を遣うことなく使い続けることができます。
津軽塗は、代表的な4種類の技法(唐塗、七々子塗、錦塗、紋紗塗)をもち、これらを基に作られている。
技法的には、髪漆<きゅうしつ>(塗りの技法のこと)研ぎ出し変わり塗りであり、 すべての技法が漆を数十回塗り重ね、研磨仕上げを施す三百年以上も変わることなく受け継がれてきた伝統技術である。 故に津軽塗は模様であり塗りである。
底から発する奥行きがあり、器にへばりついた力強さがある(多くの産地の漆器は塗装した上に模様が付いている)。
上記のような4種類の塗りがあるようですが、現在はほとんどの作品が唐塗りのようです。
私はデパートなどのお店では唐塗りの作品にしか出会っていません。
津軽塗4技法の工程は気の遠くなるような作業を重ねるので毎日使う箸でさえ10数年は使うことができます。
そのようなことから高価なので大きなものは買えませんが、箸だけは何十年も津軽塗の箸を使っています。
この堅牢な仕上げが、手入れの難しい漆器を手軽に使い続けることができるようです。
毎日使う箸も10年以上は美しさを損ねないので、今後も箸だけでも津軽塗を使い続けていきたいと思っています。