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『ある少年の告白』映画 監督:ジョエル・エドガートン

この映画は2019年に日本で放映したアメリカ映画で、私はアマゾンプライムで見ました。

著者のガラルド・コンリーが2016年年に出版したベストセラーを原作としたドキュメンタリー映画です。ガラルド・コンリーがゲイの矯正治療を受けたのは2004年の19歳の時と言うので、それほど昔の話というわけではないようです。

日本でも、ゲイというとかなり偏見を持たれていたようですが、現在は自分たちがゲイである事、レズビアンである事を公表している方もかなりいるようなので、アメリカではかなり前から自由だったのだろうと思っていたので驚きました。

日本では、宗教が海外ほど普及していないために、どのような現状なのかはよく分かりませんが、公表している方達にとっては結婚の問題、遺産相続の問題など多くの問題があることはニュースでしか知り得ませんが当事者にとっては大きな問題を含んでいるようです。

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『ある少年の告白』のあらすじと感想

ガラルド・コンリーは高校生の時はガールフレンドもいたのですが、大学にに入り男の子にレイプされそうになったことから自分が同性愛者である事に気づきます。

ある日、匿名の電話がかかってきて、母親にガラルド・コンリーが同性愛者であることを知られてしまいます。

それまでは、アメリカの田舎町で牧師をしている父と母の一人息子として、幸せに暮らしていましたが、戸惑った両親は強制セラピーへの参加を勧めたが教会でのそれは驚くべき内容でした。

そして、この矯正治療は宗教的な価値観にも基づいています。聖書の中には同性愛を戒める(と解釈できる)言葉があり、キリスト教の中でも特に保守的な “福音派” の人々は聖書を字義通りに読み、それを事実と受け止めることを基本とするため、現代の状況や世相などを理解せず、同性愛を神に対する罪だと考えてしまうそうです。彼の父親もセラピーも “福音派” だったようです。

同性愛者であると知った少年は未知であるが故に罪悪感を持ってしまいますが、それは矯正できるものではないと言うことさえ分からず、神に懺悔し男らしい訓練を受けて、直そうと努力するのです。

まるで、アル中や薬物依存を直そうとするような治療なのですが、自身にとっては偽りの日々である事を悟っていきます。

ある日、ジャレッドは自身が懺悔する番になったときに、すべてがバカバカしく悲しくなり、母親にケータイ電話で「助けてくれ」とSOSを発信するのでした。

母親はその電話で駆けつけ、ジャレッドを連れて帰ります。父親は渋りますが、母親は譲りませんでした。

そして、4年後ジャレッドはのびのびと過ごし、雑誌『タイム』に載った記事が評判となり、本を執筆することになりました。

その本を母親は喜んでくれましたが、父親にも読んでほしいとジャレッドは思っていて、母親にも話すのですが、父親は受け入れられないようです。

ラストは本を読んだらしい父親から、孫が見られないのが寂しいと言われます。

『ある少年の告白』の感想

とても悲しい映画でした。この中ではすべての人が、自分は正しいことをしていると思っているのでしょう。

そして、それに対して真剣になればなるほど、同性愛者であるジャレッド達、治療を受けている少年達を傷つけてしまうのです。

それぞれ、生まれながらに違った嗜好をもつとのだろうと言うことが分かれば、誰をも傷つけることはないのだろうが、それが他の人、親にさえ分かってもらえないものでものであるとき、親よりも本人の傷の方が大きくなるのかもしれません。

疑問を抱きながらもジャレッドの心の支えになった母親の愛は彼にどれほどの勇気を与えただ廊と思うと感無量になりました。

誰もが、自分の思い込み、または社会的常識から抜け出せないときこのような悲劇を生んでしまうのでしょう。

自分の心に正直に生きられる社会であったほしいと願って止みません。

キャスト

  • ジャレッド・エモンズ - ルーカス・ヘッジズ(河西健吾)同性愛者。自分が同性愛者であることに苦悩し、周囲の人物とも衝突してしまう
  • ナンシー・エモンズ - ニコール・キッドマン(田中敦子)。ジャレッドの母親
  • マーシャル・エモンズ - ラッセル・クロウ(菅生隆之)ジャレッドの父親。牧師
  • ヴィクター・サイクス - ジョエル・エドガートン(坂詰貴之)クロエ - マデリン・クライン
  • ドクター・マルドゥーン - チェリー・ジョーンズ。ブランドン - フリー(魚建)。ジョン - グザヴィエ・ドラン

※括弧内は日本語吹替


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