私は陶磁器などの伝統工芸品、また独自の世界を築いた陶芸家などの作品を、高度成長期に購入できずに見ていた経験を持っています。
特に益子焼は近いところにあったので、恒例のように窯元めぐりをしていましたし、陶芸家とも会ったことがあります。
そして人気作家が、東京の百貨店などで個展を開くと行列ができると言う事も耳にしていました。
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有名な作家の作品がオークションに出ているが、購入するのは心配である
先日、家の整理をしていましたらいただいた秀衡塗のお椀5客がひらいていない状態であり、中には和紙の製造元の印があったので調べて見ましたらそのお店のものはかなり高価なものもありました。
塗と言っても様々なものがあるのでしょうが、小さなものでもそのお店のものは、あまり安価とは言えないものでした。
検索の中にヤフーのオークションも入っていましたのでオークションを見ることになりました。
何点か秀衡塗は出ていましたが、まだ日にちがあるためか入札が1件も入っていませんでした。
私は山野草を育てていますが、この頃は草物盆栽などをこのんで作っています。
草物盆栽は植え替えないでも、手入れをしていればかなりの年月が持つ上に、だんだん風情が出てきます。
山野草の展示会に年2回出品するので、植木鉢で寄せ植えを作るよりは持ち運びが楽なのと植え替えの手間が少ないのが気に入っています。
そのようなわけで草物盆栽を多く作るようになっていますが、作品を置くお皿のようなものが必要ですので、(わが家にもいくつかはあるのですが)気に入ったものを探しています。
骨董市などにも行ったことがありますが、気に入ったものはなかなか見つかりません。
益子焼にも行きましたが、大きくて新しいものは草物を置くには綺麗すぎるという思いで見ていました。
益子にはたくさんお作家がいて、それぞれに個性的なものを作っていますが、我が家は益子焼はたくさんあるので、この頃は余程気に入ったものがない限り購入しないのですが、草物盆栽を載せるお皿を見ていた時にお店の方とお話しする機会がありました。
窯元でも街にお店を構えておられる方も多いようですが、そのお店もそんなお店だったようです。
私が夢中になって通っていたころは人にもよりますが、作家ものはかなり高価でなものが多かったのですが、現在はあまり高価なものを購入する人がいないと言っていました。
益子焼もかなり値段が下がっているようです。
若いころから伝統工芸品などに興味があった私は、「工芸品・民芸品」のホームページを作りいろいろなものを調べたりしていますが、以前に比べてかなり安価なものが多くなっていると思ってはいました。
そして偶然に益子焼のオークションも見ましたが、私が見ていたころにはとても手が出なかったような人間国宝級の方の作品がどのくらいで落ちるかわかりませんが、私が知っていたころでは考えられないような値段でオークションンに出品されていました。
夢中で買い集めた方がご高齢になるか、亡くなられたりしたためたくさん出てきたのではないかと想像をしてしまいました。
わが家もさほどのものはありませんが、娘に「私は興味がないから処分して旅行にでも行った方が良いし、残っていても良いものの価値が分からないから残しておかないで・・・」などと言われますので、そんなこともあるのかと、複雑な気持ちでオークションの作品を眺めていました。
そして、いらないと言いながらも私も買ってしまうのではないかという気持ちがわいてくるのを感じました。
そのころにほしかった作品が手の届くようなところにたくさんあるのですから・・・・
私が歩んできたほんの少しの時間でさえ、想像が出来なかったような速度で変わっているのですから、この先のことなどどのようになるのかもわからない道を歩いているのだという思いを新たにしました。