『羊をめぐる冒険』村上春樹著-緑のコードと赤のコード
村上春樹の作品は後期作品から読み始めて、行き来しながら数冊読み、「羊をめぐる冒険」を今回読みました。やっと初期作品の終わりのころに来たのかもしれませんが、それ以後の作品に比べて、みずみずしい若さが感じられる作品で、とても好きになりました。 1982年10月発行なので、今から35年以上も過ぎており、野間文学賞を受賞しており、3冊目の長編小説のようです。この3冊が3部作といわれいることから私は読む順序が逆になっているので、初期作品を読んだときに読後感に違いが出てくるかも知れません。 そのようなことを考えながら ...
『騎士団長殺し』村上春樹著ー雨田具彦は留学時代の戦禍を絵に残して死んだ?
『騎士団長殺し』という題名にどことなく違和感を覚えたために、読むことを先延ばしにしていましたが、読み終えてみてもっと早く読んでおきたっかったと感じられるような作品でした。 村上春樹の作品は多くのファンを持ち、予約して購入し読む人が多いのですが、レビューの良否もかなり分かれるのが特徴のようです。 私自身はハルキストというほどではありませんが、かなり好きな作家であり、『騎士団長殺し』も興味深く、様々なことを想像しながら読み進むことができました。 村上春樹の作品はかなり読んでいるので、ファンタジー的な出来事が多 ...
『マチネの終わりに』平野啓一郎著ー音楽(人生は)は過去に向かて広がっていく
『マチネの終わりに』は2015年3月から2016年1月まで毎日新聞に連載された小説であり、天才クラシックギタリストの蒔野聡史が「デビュー20周年記念」としてのコンサートの最終日、2006年の秋に小峰洋子との出会いから始まります。 小峰洋子はフセイン政権が終わった後の混乱のイラクでジャーナリストとして働いています。蒔野聡史38歳、小峰洋子40歳の決定的な出会いは二人の意思とは異なったところで誤解が生じ、お互いが惹かれながらも別々の生活を歩むことになってしまいます。 スポンサーリンク 『マチネの終わりに』のあ ...
『東京奇譚集』村上春樹著ー5作の短編集
村上春樹の作品は短編は簡単に読め、長編より軽い気持ちで読めますが、どちらも面白くお勧めできる作品です。 奇譚とはありそうにない話ということですが、そんな短編が5作品からなります。2005年発行で「新潮」に発表さえたものに書き下ろし1篇を加えた短編小説集です。 長編小説でも現実からはなれた作品がほとんどなのですが、短編集は回りくどくないため簡単に読めます。 スポンサーリンク 『東京奇譚集』のあらすじと感想 「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」「どこであれそれが見つかりそうな場所で」「日々移動する腎臓のかたちをし ...
『1Q84』村上春樹著ーリトル・ピープルとは
『1Q84』は2009年5月29日発売の村上春樹の12冊目の長編小説で、「毎日出版文化賞 文学・芸術部門」受賞しています。 いつも感じることですが、村上春樹の作品は奥が深いのですが、とても読みやすい独特の文体で読者を小説の世界に引き入れてくれます。読者の知識、思想などにより理解できることあるために、読後感は読者によって異なるし、いくつもの視点があるので何を求めて読むかによって読後感は変わってくるのかもしれません。 村上作品は、現生からいろいろな世界に移行する手法が多く取り入れられているが、読みなれると違和 ...
『決壊』平野啓一郎著ー複雑化した現在を分人という手法で書いた衝撃と感動の大作
私は同著者の作品を続けて読むことは若いころはもっと多かったように思うが、現在はかなり根気がなくなり、それほどの頻度で読み進むことができなくなっています。それでも気になる作者の作品は数冊は読んでいます。 平野啓一郎氏の作品は、前回「葬送」をかなり時間をかけて読みましたが、「決壊」はそれほどの長編でもなかったためか、外の用事の合間に読み始めたのですが、かなり短時間で読み終えたのは、途中で止めることができなかったからです。 2002年から始まる小説は、私がホームページを開いて、掲示板でいろいろな方と交流していた ...
『武器としての世論調査』三春充希著-選挙によって社会を変えたいと思う人に必読
「原発事故以降の状況に問題を感じ、社会の在り方を模索するようになったという著者は、自然科学における洞察やデーター処理方法を生かして世論調査や選挙結果のデーターから社会の姿を描き出し、提示するということに取り組んできました。」と書いているように、冷静で正確な分析結果から、いろいろなことが読み取れる素晴らしい本になっています。 私もほとんど同じ時期にそれまで以上に政治に問題意識を持つようになり、フェイスブック、ツイッターなどを読むようになり、この本の著者である「はるさん」のツイッターに出会い、数年間そのデータ ...
『葬送』平野啓一郎著ー晩年のショパンとドラクロワ
平野啓一郎の作品は最新作の「ある男」を読み、芥川賞を受賞した「日蝕」を読み返した程度ですが、その2冊に比べて葬送はかなりの長編です。 あらすじを読むという小説ではなく、ずっしりと重い言葉が全体を通じてちりばめられており、読み通すためには読み手もその哲学的ともいえる言葉を漏らさずに読み進むことを強いられることになります。 多分若いころに挫折した海外文学に次ぐくらいの時間を要したのではないかと思います。 スポンサーリンク 『葬送』の読書感想 私は新潮文庫で読みましたが、第一部が上下、第2部上下4冊という長編で ...
『私を離さないで』カズオ・イシグロ著 土屋政男訳
『私を離さないで』は、著者のカズオ・イシグロ氏が2005月年発表の長編小説です。1989年刊行の『日の名残り』に次いで読んだ著者の作品ですが、『日の名残り』を読んだ時とは全く違った感情が残っていて、世界の医学の進歩をどのようにとらえたらよいのかを自問自答することになりました。 とてつもない大きな遺伝子工学の問題を、それとは感じさせないような淡々とした文体で書かれているが読み進むうちに臓器提供のためにつくられた少年少女たちの無邪気さの中に潜む恐れのような世界がかいま見えて戦慄を覚えながらも、淡々とした文章と ...
WordPressの記事更新時の「501エラー」の対処法
ワードプレスの記事の修正をして、「更新」のボタンを押したとき上のような画面に切り替わり保存できなかったことが何度かありました。 初めての時は何が起きたかわからず、直し方が悪かったではないかと上の戻るボタンで戻り、タグを確かめたりしましたが、直す以前のタグと直したあとのタグに異常が見つからないのですが、何度やり直しても同じような結果になったことから検索をしてみたら、エックスサーバーの「WAF設定」によるということがわかりました。 スポンサーリンク 「501エラー」とは 「501エラー」が表示される原因はエッ ...
憲法についてー内田 樹氏講演の記事から
2018年の5月に日仏会館で憲法についての講演したときの講演の内容を2019年3月31日の「 BLOGOS(ブロゴス)」で読みました。 護憲派はなぜ「弱い」のかという問題について書かれているのですが、著者と同じくらいの年代のために憲法について掘り下げて考えたことがなく、改憲派が多くなったことに戸惑いを覚えながらもなぜなのかを、表面的にしかとらえることができていなかったのですが、この記事を読んで納得できることがかなりありました。 日本国憲法を下記のように位置づけています。私たちの時代に生まれたものにとって日 ...
日本型組織の病を考えるー村木厚子著
当時厚労省局長だった村木厚子氏は虚偽公文書作成容疑(郵便不正事件)にかかわったとして逮捕、半年近い拘留の末無罪が確定、事務次官まで上り詰め、退官後は「若草プロジェクト」を立ち上げ恵まれない環境に置かれた少女たちに支援をしています。 2009年6月14日逮捕といいますから、今から10年前のことです。その当時は今ほど政治に興味を持っていなかったのですが、逮捕の記事も無罪判決が決まったことも鮮明に覚えています。 そのような経験をなさった後に厚労省の事務次官まで務めた著者が、拘置所内での日々の出来事と不当な取り調 ...
ピロリ抗体検査(ピロリ菌)が陽性で除菌を受けた
健康診断で胃ハイリスク(ABC)検査を受ける機会があり、初めての血液検査を受けた結果ピロリ菌が陽性となり胃カメラ検査を受けることになりました。 ピロリ菌は赤ちゃんの頃に感染するらしく、現在の若い方は陽性の方が少ないということですが、私は上下水道が完備する前に生まれていたことから、ピロリ菌に感染していたようです。 血液検査でわかるということで何気なく受けた検査で陽性になっていたことに驚き、胃カメラ検査を受け、除菌をするために胃腸科専門医を受信しました。 スポンサーリンク 胃ハイリスク(ABC)検査とは 胃ハ ...
アフェリエイト収入の確定申告ー年金受給者
昨年は確定申告をしなければならないくらい(収入から必要経費を引いた金額が20万円を超えたとき)のアフェリエイト収入が出たので、いろいろと調べて確定申告をすることができたので来年の覚書のためにも書いておくことにしました。 会社員がアルバイトでアフェリエイトをすると、20万円を超えたとき、専業主婦の場合は38万円(2020年分の確定申告からは48万円)を超えたときは確定申告が必要という記事はあっても、年金を受給者の確定申告の記事は見当たらなかったのですが、年金受給者は雑所得が20万円を超えたときは確定申告をし ...
『日本が売られる』堤未果著|私たちが知らない間に決まっていく恐ろしいこと
国際ジャーナリストの堤未果氏の著書です。2018年9月にあとがきを書いているので、それ以前のことが書かれていることが分かります。 私は出版当時から読んでみたいと思っていましたが、購入したのは、2018年12月30日、第十一冊発行ですからかなり読まれている本のようです。 私もここ数年の、世界と日本で起きている状況にかなり関心を抱いていたので、少しは新聞やネット、国会中継などから知っていることもありましたが、それが世界中で起きていて、日本がターゲットにされていることの恐ろしさを感じました。 国際ジャーナリスト ...
『日蝕』平野啓一郎著|芥川賞受賞作
平野啓一郎の文壇デビューは華々しく、芥川賞を受賞した時はかなり話題になりました。最近作『ある男』を読んだことから、20年ほど前の『日蝕』も我が家にあるのではないかと本棚をさがしたところ見いだすことが出来ました。 ほとんど内容を覚えていなかったのですが、読み始めるにしたがって、読んだ記憶がよみがえってきました。 以前から、読み始めた本を途中から止めないで読む方でしたが、あまり覚えていないこと、その後の作品を読んでいないことからその当時はさほど感動しなかったのかもしれません。 今回も古語を連ねた文章を読み始め ...
『ある男』平野啓一郎著|過去を捨てた後に得た愛の形
芥川賞作家である、平野啓一郎著『ある男』を読了しました。 『ある男』はネット検索をしていて、興味を抱き購入しました。すっかり忘れていたが20年近く前に『日蝕』も読んだようなような気がして、本棚をさがして見たところ本棚から探すことが出来ました。 その当時、京都大学大学中に書いたという『日蝕』はかなり評判になっていたことを思い出したが、なぜか本の内容は思い出さないので、近いうちに読み直してみようと思っています。 それ以後の作品は読んでいないので、『ある男』は平野啓一郎作品に初めて出会ったような感覚で読むことに ...
ハイビスカス ヘアシャンプーはくせ毛でまとまりにくい髪にとても良かった
「ジョンマスターオーガニック ハニー&ハイビスカスヘアーリコストラクティングシャンプー(アメリカ合衆国)」を使っているので、ハイビスカスが髪に優しいことを経験から知っている私は「ハイビスカス ヘアシャンプー」がパイビスカスで有名な沖縄県の「ゆめじん」から出ていることを知り、早速購入して使ってみました。 ハイビスカス葉エキスには植物性ヒアルロン酸が含まれており、天然の保湿成分が髪にたっぷりと潤いを与え、ナノ化された天然の補修保護成分によりダメージを受けた髪に潤いを与えるということは、現在使っている、 ...