昭和8年に「中央公論」には発表されたようですが明治時代を背景にした春琴と春琴の身の回りの世話をしていた佐助の物語です。 谷崎潤一郎の小説の数編は若いころに読んだことがあり、春琴抄を読んだ記憶もありますが、目を針で刺して盲目になる場面ははっきりと覚えているものの詳細はおぼろになっていました。 この小説を読んで、長編「細雪」や「痴人の愛」など時がたった現在の心境で読んでみたいと思っています。小説は年齢やその時の心の状態などによって読後感が変わるので気にかかっている小説は何度も読んでみたいものです。 谷崎潤一郎 ...