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本・読書感想・映画

2021/6/12

『枝野ビジョン』枝野幸男著ー支え合う日本

立憲民衆党の党首枝代表がめざす社会の未来像を書いています。 政権交代を視野に入れながらも、何をしたいのか分からないとよく言われますが、ここに書いてあるのは政権交代後どのような社会を作っていくのかその覚悟を書いています。 2017年民主党が割れて、一人で立ち上げたのが立憲民主党です。私はもちろん応援しましたが多くの賛同者をえて、野党第一党になり、その後希望の党に行った民進党の仲間が、国民民主党となり、無所属から立候補した仲間と2020年9月に合流、150人の議員からなる新たな立憲民主党を結成、2021年の秋 ...

その他の病気・医療 病気・医療

2022/2/14

「コロナワクチン」一回目接種後での副反応ー強い腰痛ー2回目は体のだるさ-3回目は2日間の発熱

2021年6月5日に一回目のファイザーの「コロナワクチン」の接種を受けました。 私はテリボン注射で血圧が下がったことがあるので、少し心配でしたがかかり医で接種をしていただくことにしました。 午後二時に接種を受けて、副反応が以前に出たことから、30分待って異常がなかったので帰ってきました。 1回目接種、2日目の症状 当日はほとんど普通と変わらず、風呂に入り寝たのですが、夜中から少し腰痛を感じました。 元々、腰痛があるのであまり気にしなかったのですが、起きてみると注射をしたところが腫れて腕が上がりにくい感じが ...

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2021/6/6

『本心』平野啓一郎著

発売日を待って購入した本は、私には数少ないものになります。 公式サイトに登録していたため、発売前から半分以上を読ませていただき、続きを読みたい一心で購入したという経緯があります。 それだけ私には魅力的な作品だと思いました。 『本心』のあらすじと感想 このような時代に生きることに前向きになれるような着地点を探していたという著者は、「最愛の人の他者性」という言葉にたどり着いたと書いています。 この小説は二千四十年代という未来を描いた小説です。 著者は最近の小説では分身や他者性について書くことが多いようで、母の ...

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2021/6/6

『海』小川洋子著ー短編集

2001年から2006年にかけた書いた7作の短編集『海』は2006年10月に発行されたので、もう20年も前の作品です。 数ページのものから少し長いものまであり、著者らしい感性が感じられる作品ばかりです。 誰もが心に持っていながらほとんど気ないないまま過ごしているような心のひだを拾い上げ、読者の心に迫ってくる作者の力量が短篇集の中にちりばめられています。 『海』短篇集のあらすじと感想 立場も年齢も異なる人とのふとした出会いから、心をが触れあうひとときをさりげなく描きながら、読者に感動を与えてくれる短篇集です ...

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2021/6/6

『ことり』小川洋子著

小川洋子さんの優しいまなざしと独特の感性に惹かれて、『博士の愛した数式』、『猫を抱いて象と泳ぐ』に次ぐ3冊目『ことり』を読みました。 2012年11月発売なので発売順に読んだことになります。 『ことり』はことり小父さんの一生が静かに流れていく物語で、このような設定でここまで生きることの意味を問うことのできる作家は初めて出会ったように感じました。 『ことり』のあらすじと感想 社会の片隅で、ことりのさえずりに耳を傾けながらひっそりと生きる兄弟の一生は決して淋しくもなく、優しさに満ちています。 生きることの幸せ ...

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2021/6/6

『生きるための経済学』安富歩著ー〈選択の自由〉からの脱却

『生きるための論語』、『生きる技法』、『原発危機と東大話法』に次いで『生きるための経済学』を読みました。 いずれの本も今までに沢山の学者が書いたものを読み、それを安富氏自身の独自性を加え、それを提示するという方法で書かれています。 私は「経済学」は素人ですが、社会を見据えて書いていることに好感を持って読むことが出来ました。 しかし、内容はかなり難しくまとめるのに苦労しました。何度も挫折しながらの読後感です。 『生きるための経済学』のあらすじと感想 2008年3月30日に第1刷を発行、2021年1月15日第 ...

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2021/6/6

『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子著

著者の本を読むのは『博士の愛した数式』に次いで2冊目です。 『博士の愛した数式』はどんな数字も数式に当てはめて話す、数論専門の元大学教授を書いています。『猫を抱いて象と泳ぐ』は「チェス」を愛してやまなかった少年の物語ですが、チェスが分からなくても問題なく読むことが出来ます。 私は「将棋」のようなものかと思いながら読みましたが、「チェス」は見たこともありません。 それでも、「チェス」を通して物語は進みますが、私には「チェス」を知らないことで、読書を妨げられることはありませんでした。 『猫を抱いて象と泳ぐ』の ...

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2021/6/6

『JR上野駅公園口』柳美里著

2014年3月に発行され、全米図書賞を受賞した小説です。 柳美里の小説は2000年に発売された『命』以来ですので、『JR上野駅公園口』を読んで、柳美里という作家の成長を感じ、とても感動しました。 小説以外では『国家への道順』を読み、在日韓国人としていじめにあいながらも必死に生きている「柳美里」が国家について深く考えていることを知りました。 しかし、『JR上野駅公園口』は、それらの本と全く別の書き方をしていて、小説家としての大きな成長を感じました。 『JR上野駅公園口』のあらすじと感想 主人公は平成天皇と同 ...

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2021/6/6

『地図から消される街』青木美希著-3.11後の「言ってはいけない真実」

著者は北海タイムズ、北海道新聞に勤務後朝日新聞に入社、3.11では翌日から現場で取材、2011年9月には特別報道部に。原発事故懸賞企画「プロメテウスの翼」などに参加し、2013年、特別報道部の『手抜き除染」報道を手がけ、取材班は新聞協会賞を受賞したと言うことです。 個々に書かれているような、現実は新聞やテレビなどの報道でも見聞きしていたことであり、そのたびに愁いていたのですが、このように1冊の本として、取材した現実を読むことでより大きな原発事故後の問題点を知ることになり、政府のずさんな対応に憤りを感じざる ...

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2021/6/6

『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ著

著者40歳の時の作品でのようで、今年の本屋大賞の候補に選ばれているようです。 読んだ方の感想から、一度読んで見ようと思い購入しました。 現在問題になっている子供の虐待を扱った小説で、山田詠美氏の『罪人』と重ねて読んでしまうところがありましたが、山田詠美が実際に起きた子供置き去り事件を扱ったいてそのむごさがひしひしと感じられたのに対して、その感受性に少し甘さを感じてしまったのは否めませんでした。 しかし、誰にも聞こえない52ヘルツの声で鳴くクジラの声には孤独を深く感じさせられました。 『52ヘルツのクジラた ...

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2021/6/6

『生きるための論語』安富歩著

論語は東アジア最重要の古典で、中学か高校でほんの少し学ぶことになっています。 紀元前に生きた、孔子と彼の高弟の言行を孔子の死後、弟子達が記録した書物ですが、秦の始皇帝の儒教弾圧で、『論語』本文は失われてしまったようです。 しかし、生き残った儒者が口承で内容を伝え、これが現在の『論語』の原型になったということで、長い年月の間研究が行われてきたので、様々な解釈があるようです。 生きるための論語を読む 安富歩氏は論語を生きるためにという副題をつけています。 私は漢文を正確に読むことも理解することも出来ませんが、 ...

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2021/8/26

『原発危機と東大話法』安富歩著

東京大学教授安富歩氏の著書です。2.11の東日本大震災による福島原発事故後について、ブログに書きためていたものを元にして出版することになったと書いています。 安富歩氏は経済学者ですが、東大教授でありながら物事を決めつけるというよりは、深く掘り下げながらも柔らかな思考を持って文献に当たりながら納得できる考察を読者に与えてくれます。 原発の恐ろしさを知っている著者は、東京電力や日本政府の対応、国民があまりにも危機感を抱いていないことに驚いたと書いています。 私も戦争の時に原子爆弾を落とされた広島、長崎の惨事は ...

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2021/6/6

『「超」独学法』野口悠紀雄著ー「学び直し」がとんでもなく「面白く」なる

著者の野口悠紀男さんは1940年生まれ、著者の本は初めて読みましたが、この本の中で書いているようにかなりの分野を独学で学んだと言うことに驚きを感じると共に、独学の楽しさを感じることが出来ました。 東京大学工学部を卒業、大蔵省に入省、エール大学で経済学博士号を取得、一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード客員大学、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論と書いてあります。 著書は多数あり、多くの賞をを受賞しています。 この本の中には様々な独学法 ...

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2021/6/6

『日本の男を食い尽くすタガメ女の正体』ー深尾葉子著

著者の深尾葉子さんは、大阪大学大学院 経済学研究科准教授です。安富歩 東大教授との共著もあり、興味を抱いたので読んでみたいと思って購入し、読了しました。 1963年生まれの著者が、2013年に発行しているので、専業主婦が多かった、その頃の年代の社会現象なのでしょう。 そして、今の社会の覇気のなさを見るにつけ、なぜこのような政治家や官僚ばかりになってしまったのか不思議に思っていましたが、著者はこれらの現状をタガメ女とカエル男に当てはめて書いています。 この本は表層的な読み方をしたら、あまり面白くない本に見え ...

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2021/6/6

『生きる技法』安富歩著ー自立とは依存すること

2019年の参議院議員選挙の時に、「子どもを守るということを、政治の原則にしよう」と東大教授である安富歩氏がれいわ新選組から立候補し、選挙運動をしているのをネットなどで何度か目にしたことがあります。 それまでも名前や写真は見たことがありますが、その時、れいわ新選組について書いている文章を読んで、(れいわ新選組には批判的な私だったのですが)私の心を捉える文章に興味をいだき、いつか著書を読んでみたいと思っていました。 その思いから読んだのが『生きる技法』です。私の元に届いた帯には「助けてください」と言えたとき ...

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2021/1/2

『けものたちは故郷をめざす』安部公房著ー岩波文庫 

満州からの引き揚げ者である安部公房の初期作品で、「安部公房全集」第六巻(新潮社)1998年を底本にして、現在仮名遣い、読みにくい漢字にはふりがなをつけて2020年3月13日に岩波書店より発行された文庫本なのでかなり読みやすくなっています。 ちなみに、初版は1951年に大日本雄弁会講談社から刊行されています。 従ってこの時代に書いた小説としてはとても読みやすく、戦後の満州という広大な未知の地でありながら、その情景が読むものの心に息づき、引き込まれるように読んでしました。 冬の氷点下数十度という世界は経験した ...

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2020/12/29

『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹著ー鼠4部作の完結編

この小説は、1988年10月発売で、村上春樹の6冊目の長編小説に当たります。 私は、村上春樹氏の小説との出会いが遅く、後期作品から読み始めているので、初期長編の3部作と言われる小説は後期の作品から読みましたが、どこかしらで前作からのつながりを持つ作品であることを知り、初期作品から読めばよかったと思いました。 その点、『ダンス・ダンス・ダンス』はそれまでの5冊の長編小説を読んだ後なので、最初から物語の世界に入っていくことが出来ました。 その間に『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』、そして全世界的大 ...

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2020/12/16

『モモ』ミヒャエル・エンデ作 大島かおり訳

作者のミヒャエル・エンデはドイツの児童文学作家で、『ジム・ボタンの機関車大旅行』でドイツ文学賞を得て世界各国で広く知られる作家になったようですが、私は1973年に出版された『モモ』という作品を今頃初めて読みました。 岩波少年文庫2020年7月15日31刷発行になっていますから50年近くも出版され続けていてロングセラーになっているようです。 訳は新しくなっているところも多いようなので読んでいて、それほど年月が過ぎた本だとは思えず、まさに今現在の私たちの生き方を書いているようで、考えさせられる本であると共に、 ...