母が重たいと嘆く母娘問題に驚く
先月95歳の母を見送り、娘が一人いる私には表題の関係はかなりショックなことでした。 私は母に反抗しながら育ってきましたし、良い娘とはかなり遠い存在で育ってきたことから、子供が親に反抗しながら親を乗り越えていくのが普通のことだと思っていましたので、反抗することができない子供がいると言う事の方が大変ではないか思いました。 子供のころは母が大好きで、親の言う事だから何でも聞くと言う事はなかったので、好きとか嫌いとか考えることもなく育ってきたように思います。 そして、そんなに反抗する私を母はどう思っているのだろう ...
『二十歳の原点』 高野悦子著ー学園闘争のさなか二十歳で自殺した女子大生の日記
アマゾンから時々本の紹介のメールが届きます。結構興味のある本の紹介が届くのですが、つい最近『ニ十歳の原点』の紹介が届きました。表紙を見た時、読んだことがあるばかりでなく、我が家にあるのではないかと思いました。 数十年前に読んだ本なので、どこにあるか覚えていませんが本棚の背表紙を探したところ、手が届かない高いところに見つけることが出来ました。我が家の本は昭和46年5月10日発行、昭和46年8月10日8刷になっているので、ベストセラーになったのは覚えていますがかなり読まれた本のようです。 スポンサーリンク 『 ...
『あなたの首の痛み・肩こりはストレートネックが原因です!』 酒井慎太郎著
生活スタイルが大きく変わり、常時スマホ・パソコンなどで下を向いている時間が多くなっている現代の人は、若くしてストレートネックになっている人が多いと言います。日本人の8割は程度は差こそあれストレートネックだと著者は書いています。 上の図のように頚椎のカーブが消失して首が前に突き出ている状態をストレートネックというようですが、そのために前身のバランスが崩れ、体への影響が徐々に大きくなっていくということです。 我が家では夫が、頚椎症性脊髄症になり手の痺れがひどくなり手術を受けましたが、脊髄液の流れが悪くなってい ...
手根管症候群の内視鏡手術から2年握力もしびれも治る
手根管症候群の手術を受けてから2年目の診察がありましたが、しびれも握力もほとんど元どうりになっているということでした。手術前に診察を受けた時はかなりひどい状態だったことから、しびれや握力は元のようには治らないかもしれないということでしたが、2年目の診察で改善が思ったよりもよく、運が良かったと主治医がおっしゃったことからこのように良くなる人ばかりではないのだと改めて感じました。 手術前は車を運転していてもハンドルを握っているのさえ大変な状態だったことを思いだしました。症状がひどい時は毎日のように痛さやしびれ ...
『アンダーグラウンド』 村上春樹著ー地下鉄サリン事件の被害者へのインタビュー
1995年3月20日オウム真理教の信者が起した地下鉄サリン事件は3800人の被害者を出しました。また、乗客や駅員ら13人が死亡しており、被害者の中には重症患者も含まれています。 麻原彰晃を教祖とするオウム真理教とは何か、という疑問を作者は感じたといいます。このインタビューは、事件発生後9カ月を経た時点に開始、1年9カ月後まで続けられたようです。 坂本堤弁護士一家殺害事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件などにかかわっていた人の裁判が行われていましたが、麻原彰晃をはじめ死刑が確定していた13人の死刑執行が2 ...
『枝野幸男、魂の3時間大演説』―安倍政権が不信任に足る7つの理由
2018年の通常国会は働かせ放題の「高度プロフェッショナルを含む働き方改革」、「カジノ法案」、定員増の「参議院議員制度」などの法案を通すために会期を7月22日まで延長をしていました。 いずれの法案も国民からの支持率の少ない法案でしたが、安倍総理はどうしても通したかったようです。秋の自民党総裁選を控えた中で3選を目指す安倍総理は200人以上の被害者を出す平成30年7月豪雨のさなか、災害対策の遅れが指摘された中での審議でした。 「カジノ法案の採決を控え実質的な最終日の2018年7月20日に災害のこともありため ...
『枝野立つ! 立憲民主党のさらなる闘い』 大下英二著ー安倍政権打倒が出来るか
1933年週刊文春から独立し作家に転身し、政界、財界、芸能界などの多数のルポルタージュや小説を執筆する作家、大下英二が立憲民主党を立ち上げた枝野幸男代表の少年時代から政治に寄せた思い、1993年日本新党から立候補して当選、総選挙後、非自民・非共産連立の細川内閣が誕生して、与党としての出発した当時からの枝野の取材を交えながら政治家として真価を書いたものがこの本です。 その時代は政権交代が続き、今から見れば政治の激動の時代でしたが、長期政権となった安倍政権のの時代に比べてとても良い時代だったと思い起してながら ...
『主権なき平和国家』伊勢崎賢治×布施祐仁著ー地位協定の国際批判から見る日本の姿
米国による主権の継続と主権剥奪の現実を元PKO幹部で東京外大教授伊勢崎賢治氏とジャーナリスト布施祐仁氏による共著により詳しく書いた本です。 米軍基地の近くに住んでいない人たちにとっては人ごとのような日米地位協定によって、戦後から現在までアメリカの「占領状態」が続いているのです。 この現状を変えないで憲法改正などありえないというのが、著者たちの一致するところです。しかし二人の考えは一致しているわけではなく、護憲派、改憲派という立場からの意見を書いています。 布施祐仁氏が、伊勢崎賢治氏に長時間にわたりインタビ ...
『憎むのでもなく、許すのでもなく ユダヤ人一斉検挙の夜』ボリス・シリュルニク著 林昌宏訳
ナチスドイツの占領下にあったフランスが、ユダヤ人社会を規制するための法律「反ユダヤ法」を1940年に可決しました。それによりユダヤ人の就労は禁止され、次々と逮捕されていきました。 1942年7月18日に母が逮捕されるのを知って著者を孤児院に預けました。そこに1年あまりいた後、マルゴの家に引き取られてユダヤ人一斉検挙で1944年1月10日の夜逮捕されました。 フランスボルドーに生まれた6歳の著者に自分がユダヤ人であること、ユダヤ人がなぜ逮捕されるのか、父や母、親戚まで何故消えてしまったのかも分からなかったよ ...
『憲法の涙』井上達夫著―リベラルのことは嫌いでもリベラリズムは嫌いにならないでください2
『リベラルのことは嫌いでもリベラリズムは嫌いにならないでください2』として、毎日新聞出版志摩和生氏のインタビューアーにこたえる形で書かれているのが『憲法の涙』です。 前著を読めば、井上達夫氏は、自衛隊の存在、個別的自衛権や集団的自衛権は九条違反であるとする立場を貫き、憲法から9条削除論を唱え、憲法改正が必要だという立場をとっています。 しかし、安倍政権がやろうとしている憲法改正は、対米従属を深めることで、政治的ご都合主義であり、政治的欺瞞だといいます。 改憲派も護憲派も嘘ばかり 護憲派には、九条のもとで自 ...
『リベラルのことは嫌いでもリベラリズムは嫌いにならないでください』井上達夫の法哲学入門
政治が混とんとしていて、憲法改正が政権内で論議されているのをニュースで見ながら、自民党のあまりにもひどい憲法改正論に、現在の社会にそぐわなくなった憲法とは何かと考えるようになった時に出会った本です。 九条に照らして自衛隊は違憲であるが、九条を憲法に書いても書かなくても変わりがないという安倍総理の改憲論は、国会で聞いていても矛盾が多く、このような憲法改正が本当に通っててしまった時、日本はどうなるのだろうという不安をいつも抱いていました。 そのような時に購入したのが、井上達夫著の『リベラルのことは嫌いでもリベ ...
『長い時間をかけた人間の経験』林京子著ー長崎被爆で被爆した魂の遍歴
1945年8月9日長崎で被爆した著者と同じ体験をした友人などのその後の心や体の異常を交えながら書いています。 長崎県立長崎高等女学校3年で、三菱兵器工場に学徒動員中に被爆しましたが、その当時は女学生はほとんどが学徒動員で兵器などをつくらされていたようです。 原爆体験をモチーフにした作品が多く、様々な賞を受賞しましたが、『長い時間をかけた人間の経験』は野間文学賞を受賞しています。 原爆を特化する姿勢があるとして、中上健次に「原爆ファシスト」と呼ばれたことがあるようですが、日本が犯した戦争時の事柄とは別に、唯 ...
「スーパー名医」が医療を壊す:村田幸生著ー内科医が書いた医療の現場
神鋼病院内科部長であられた、村田幸生先生が内科の医師としての立場から、「白い巨塔」などのテレビドラマの医師の姿を念頭に現場の医師としての立場から問題意識を提起する形で書き進められています。 「スーパー名医」が医療を壊すの初版が2009年に出版されたので、今から10年以上前に書かれたものと思われます。 現在も医療現場の問題点が時々明るみに出てニュースとして放映されていますが、10年前くらいから医師が医療ミスで訴えられることが多くなったように思います。 それまでは医療裁判などほとんどなく、カルテ開示も難しかっ ...
『武器輸出と日本企業』望月衣塑子著―太平洋戦争の轍を二度と踏まないでほしい
東京新聞社社会部記者の望月衣塑子さんが2014年4月第2次安倍内閣の下で事実状解禁になった武器輸出の動きを丁寧な取材のもとに書いたのがこの本です。 2016年7月10日に初版発行されていたようですが、私はモリカケ問題で、臆することなく菅官房長官に質問をしていた望月さんがひときわ目立ったことから多くの人に知られるようになったころ(2017年)、『武器輸出と日本企業』という本を書いていたことを知りました。 一定の条件の下で武器輸出が可能となる「防衛装備移転三原則」が閣議決定されたことを受けて日本は武器輸出国と ...
『国体論―菊と星条旗』 白井聡著ー「日本のアメリカ」は何をもたらすのか
失われた20年または30年という言葉はよく聞きます。 安倍総理が事あるごとに、アベノミクス 効果を吹聴していますが、日本はその言葉と裏腹に貧富の差が激しくなり、差別主義(レイシスト)がネット上にあふれるようになっています。 現在の破綻している民主主義を憂いる人はたくさんいますが、もはや肥大化した右傾化した人の感情的表出には太刀打ちできなくなっていることへのもどかしさを感じている方が多くなっています。 そのような時期(2016年8月8日)に天皇陛下の「お言葉」がテレビを通して発せられました。著者はその言葉に ...
『万引き家族』是枝監督ーカンヌ最高賞受賞の映画感想
第71回カンヌ国際映画祭で 最高賞のパルムドール受賞の『万引き家族』を見てきました。 是枝監督は、ブログに〈映画がかつて、「国益」や「国策」と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、大げさなようですがこのような「平時」においても公権力(それが保守でもリベラルでも)とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないかと考えています〉とも綴り、映画が公権力から一定の距離を置くことの重要性を確認したうえで、政府などからの顕彰の類は固辞していると明かした。 http://lite-ra.com/2 ...